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ミステリの祭典

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偽りの名画
美術学芸員クリス・ノーグレンシリーズ

作家 アーロン・エルキンズ
出版日1991年07月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 4点 nukkam
(2016/07/02 09:23登録)
(ネタバレなしです) 1987年発表の本書は新しい名探偵役として美術館員クリス・ノーグレンを主人公にしたシリーズ第1作です。ギデオン・オリヴァー教授シリーズと違ってクリスを語り手にした1人称形式が特徴となっています。絵画に関する専門知識が散りばめられていますが贋作候補がいくつもあることもあって絵画の説明や真贋鑑定場面のページが結構多く、美術に全く興味のない読者にはちょっと辛い作品かもしれません。贋作探しに加えて犯人当て要素もありますがごろつきを雇っての犯行があるのは本格派推理小説としてはあまり好ましくないように感じます。

No.2 6点 蟷螂の斧
(2014/04/01 18:25登録)
絵画ミステリーで、どちらかといえばエンタメ系でした。ちょっと長いですね。もう少しコンパクトになればと思います。展示絵画のうちの贋作を調査する物語ですが、真相についてのアイデアは楽しめました。フェルメールと贋作については「フェルメールの闇」(田中純著)の方が詳しく描かれていると思います。シリーズ2作目の「一瞬の光」に期待。

No.1 7点 Tetchy
(2008/07/25 20:18登録)
美術学芸員クリス・ノーグレンシリーズ第1作。
ベルリンで開かれるナチスに略奪された名画展のためにクリスはドイツに飛ぶ。
ところが着いてまもなく、上司が「展示品の中に贋作がある」と告げたあと、謎の死を遂げる。

クリスは贋作捜しと上司を殺した犯人捜しに巻き込まれる。

フェルメールが扱われているが、これは画集を手元に置いて読みたいところだ。
そして贋作の正体が意外。

美術を扱ったマンガ『ゼロ』を熟読していただけに、それに繋がる部分があって面白かった。
ただよく『ゼロ』で使われる鑑定法、炭素14法が一切出てこなかったが何故?
真贋を見極めるテーマだったので、さあ出て来い!と心待ちにしていたが、とうとう出仕舞い。

でもかなり楽しめるミステリ。
主人公のクリスは意気地ないけどね。

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