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ミステリの祭典

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QED ~flumen~ 九段坂の春
QEDシリーズ

作家 高田崇史
出版日2007年08月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 nukkam
(2016/09/11 02:56登録)
(ネタバレなしです) 4作の中短編で構成された2007年発表の桑原崇シリーズ第1短編集です。「九段坂の春」では中学2年の桑原崇、「北鎌倉の夏」では高校1年の棚旗奈々、「浅草寺の秋」では大学1年の小松崎良平、「那智瀧の冬」では(ちょっと意外でしたが)大学院生の御名形史紋が登場してそれぞれの青春時代が描かれます。連作短編集になっており、4人が直接会うことも互いのことを知ることもありませんが(作中時代も最長11年の開きがあります)ちょっとした縁で結ばれていることが読者に伝わるようになっています(講談社文庫版の解説で作者自身が「縁」をトータルテーマにしたと語っています)。このシリーズならではの歴史や文学に関する謎解きもちゃんとあります。シリーズ名探偵役でない奈々や小松崎が単独で事件に関わった時にどういう役割を果たすのか、読者は貴重な経験を得られます。ただ中短編のためか詳細な人物紹介になっていないので、鷹さんやKOBさんのご講評で指摘されているようにシリーズ入門編としては勧められません。

No.3 6点 TON2
(2013/01/07 01:33登録)
講談社NOVELS
 「九段坂の春」「北鎌倉の夏」「戦争時の秋」「那智瀧の冬」の4編で、QEDシリーズの登場人物たちの若いころの様子を描いた連作短編集です。
 いつものようにタタルが自らの薀蓄を一方的に語るわけではないので、今までの作品より読みやすいと思います。
 九段坂では三島由紀夫の豊饒の海第4巻「天人五衰」がなぜほかの巻より短いのか、北鎌倉では護良親王の話が、浅草寺では浅草あたりが鋳物師の本拠地であったという由来が、那智瀧では補陀落渡海の話が語られています。

No.2 7点 KOB
(2012/09/10 23:27登録)
歳相応なキャラクターたちの青春時代を楽しめる(御名方は院生時代のためあまり変わってないけど)
当たり前だけど中学時代のタタルはませててもやっぱり子供だった。
シリーズを読んでないと楽しめないのは言わずもがな。

No.1 6点
(2011/10/22 10:36登録)
連作短編集です。4つの短編が最後に収束します。
いつものように現代の殺人事件と歴史にまつわる薀蓄が披露されますが、QEDシリーズを通して読んでる人でなければ面白みが半減します。

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