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ミステリの祭典

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死国

作家 坂東眞砂子
出版日1993年03月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 7点 TON2
(2012/11/05 20:01登録)
四国=死国。左回りに霊場を巡ると死者が蘇るという、伝奇的色彩の濃い作品です。

No.2 6点
(2012/07/13 10:46登録)
こういうのを、伝奇ロマンというのですね。
いまだ土俗的因習の残る四国偏狭の地のこわ~いお話です。

死者の甦りや死霊の呼び戻しを軸とした幻想伝奇小説なのですが、主人公・比奈子と、かつての恋人・文夫と、比奈子の幼なじみで若くして死んだ莎代里の霊とが絡み合ったメロドラマという印象のほうが強いです。
ラストは壮絶です。生にしがみつく死霊にまつわる怪談話ですから、このような結末にせざるを得ないのでしょう。余韻が残ります。

四国って怖いなぁ。
と読者に思わせるのが作者のねらいなのでしょうか。映画化もされたし、アマゾンの本書のマーケット・プレイス出品数から見ても書籍の売行きは凄かったようだから、おそらく四国のPRができたはずです。
たしかに本書を読めば四国って怖くて恐ろしい地というイメージを持たれそうですが、それ以上の魅力も感じられます。日本人だから、やはり日本的な土俗には惹かれます。

以上、いかにも恐ろしい小説のように評しましたが、実は怖さ的には求めていたものには及びませんでした。夏の夜を涼しく過ごすには、心の奥底が冷え冷えするような、もっともっと怖い話がいいですね。

No.1 7点 Tetchy
(2008/05/06 00:14登録)
栗原千明主演で映画にもなった土俗ホラー。

自分の住んでいる四国を舞台にこれほどまでの土俗ホラーが繰り広げられるのにまず驚いた。
四国に住んでいるのがちょっと怖くなった。
この作品のテーマになっている「逆打ち」ってホントにありそうだもの。

この「逆打ち」を軸にさまざまな人のドラマが絡んでくる手並みは見事。
文章も立つし、読んで損はない作品。

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