home

ミステリの祭典

login
密室・殺人

作家 小林泰三
出版日1998年07月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 6点 nukkam
(2019/07/30 21:57登録)
(ネタバレなしです) ホラー短編作家としてデビューした小林泰三(こばやしやすみ。私はずっと「たいぞう」だと思ってました)(1962-2020)の長編第1作が1998年発表の本書です。意外にもユーモア本格派推理小説として展開し、密室の中にいたはずの人間が密室の外で死体となって発見されるという1種の逆密室の謎が提示されます。エキセントリックな容疑者たち相手に探偵助手役の主人公の苦心の捜査が描かれています。それに加えて主人公の抱えるトラウマによる乱心描写がホラー作家として評価の高い作者ならではですが、捜査が完全に中断されてしまうので本格派好き読者の好き嫌いは分かれるかもしれません。結末の付け方も賛否両論あると思いますがなかなか力の入った作品で、謎解き伏線の張り方が巧妙です。

No.3 6点 虫暮部
(2014/09/30 12:20登録)
予めロープで窓から上り下りする練習をしておいた、といっても、その練習自体がうっかりすると命にかかわる危険な行為だよね。死ぬ気なんかなくて皆を驚かせるのが目的、というにはリスクがあまりに大きい。心情が良く判らぬ。 

No.2 6点 蟷螂の斧
(2012/04/02 12:16登録)
密室が出来上がっており、死体は外で発見される。自殺とも他殺とも判断できないという謎。そして事件解決に登場する名探偵に関する謎。ユーモラスな部分があると思えば、主人公のトラウマがおどろおどろしているという不思議な雰囲気の小説でした。

No.1 9点 結奈
(2009/05/19 16:38登録)
読後、何が一番心に残るか、読み手によって異なりそうです。
私は、本筋の謎とは別のトリックに驚愕し、同時にやりきれない悲しみのようなものがこみ上げてきました。
今後も記憶に残り続ける一冊になったのは、間違いないです。

4レコード表示中です 書評