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ミステリの祭典

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芙路魅

作家 積木鏡介
出版日2002年04月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 人並由真
(2020/03/31 05:06登録)
(ネタバレなし)
 医学博士でX大学の名誉教授でもある弓削通蔵。その邸宅に入り込んだはずの殺人者を包囲する、警視庁の若手刑事・曽我重人。そして所轄の古参刑事・東雲三四郎。だがその屋内では、当主である弓削と殺人者との相克が……。やがて邸内に踏み込んだ曽我と東雲が認めたのは、惨殺された弓削の死体。だが厳重に警官隊に包囲されていたはずの邸内の中には、どこにも殺人者の姿はなかった!

 あー。ホラー要素をぶっこんだ、新本格パズラーで、最後はさらにまた(以下略)。一応はおもしろかったけれど、大味すぎるでしょう。「そういうこと」があったとしても(まずないけど)、そこまでのモノが(中略)とするには、デティルの書き込みが不足すぎる。6点つけてもいいけど、先にメルカトルさんと深夜さんという方がそれぞれその評点なのに、自分まで同じ点をあげなくてもいいかなあ、という感じです。

 とはいえ長めに書いて細部を足して、リアリティを増しちゃう(それが可能かどうかは別として)と、ますます物語全体のうそっぽさが際立っちゃうような気もする。
 イヤミとかではなく、電撃文庫とかHJ文庫あたりのラノベレーベルで出て、その枠のなかでもし読んでいたら、得点評価ばっかになって株が上がっていたかもしれない。現状の感想はそんなところで。

No.2 6点 メルカトル
(2014/02/24 22:23登録)
再読です。
密室本だけど、最早密室は関係なくなってしまっている。ミステリと言うよりも、ホラー色のほうが濃い。ホラー・サスペンスなのだろうか。
時系列がどうにもスッキリしないので、多少理解しづらい面はあるものの、徐々に全貌を現してくる一連の事件や因果関係は、暗くてじめじめした感触だが、読者を引っ張り込む力を持っている。総じて、何とも言いようのない魅力を持った作品に仕上がっているのではないかと思う。
短いページ数の割には、中身がギュッと詰まってそこかしこに読みどころが散見され、凡百のホラー小説とはまた違った面白さを味わえる、なかなかの怪作ではないだろうか。
ただ、もう少しまとまりが欲しかった気はする。二度読みすればもっとその世界観に浸れるのは間違いないはずだが。

No.1 6点 深夜
(2008/05/17 18:36登録)
ホラーとしてならあり。密室本のトリックは皆、こんな感じなんですね。

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