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ミステリの祭典

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肖像画(ポートレイト)
多根井理シリーズ

作家 依井貴裕
出版日1995年04月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 5点 蟷螂の斧
(2016/12/17 21:14登録)
著者の文章は、ややとっつきにくいところがあり相性が良くない。3人称でありながら主語がない文章など。殺人事件が起こったあと、一人が行方不明、一人は部屋に閉じこもり顔を見せない。そのような状況で、警察が来ても「開かずの間」を開けないという不自然さ。開けると物語が成立しないのかもしれないが。また焼死体が部屋にあるにも拘わらず臭わないなどは興ざめです。まあ、ミスリードや伏線の回収などは標準以上であるとは思います。

No.2 7点 nukkam
(2016/11/23 20:33登録)
(ネタバレなしです) 1995年発表の多根井理シリーズ第3作の本格派推理小説です。この作者がエラリー・クイーンを意識しているのは有名ですが、特に本書ではクイーン作品のパスティッシュを書こうとしたのではと思えるような場面が一杯です。クイーン作品に精通している読者なら次々に届けられる謎の贈り物、猫殺し、殺人シナリオ、犯人逮捕の場面などでクイーンの色々な作品の名前が頭に浮かぶのではないでしょうか。謎解きはちゃんと作者の独自性が発揮されており、「読者への挑戦状」の後で実に複雑な真相が丁寧に説明されます。犯人は当てられても何が起きたのかを完全正解するのは難しいと思いますが(ちなみに私は犯人も当たってません)、これぞ本格派の中の本格派と言える作品です。本格派(特にそのパズル要素)が苦手な読者には間違ってもお勧めできませんが。

No.1 7点 江守森江
(2009/06/08 14:30登録)
読者挑戦物として問題編の手掛かりや伏線を論理的に組み立てれば自ずと解答にたどり着く。
ネタバレ
挑戦状挿入のタイミングと警察の捜査能力がミスリードになっているがパズラーと割り切って読めばアンフェアではない。
見立て殺人の目的やタイトルの意味など良くできている。

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