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ミステリの祭典

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犯人はキミが好きなひと

作家 阿津川辰海
出版日2026年02月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 6点 虫暮部
(2026/05/12 14:07登録)
 うーむ、もっと楽しめてもおかしくないのに、妙に小粒な印象が残った。特殊なルールを設定しておきながら、読者に対してその裏をかくことばかりしている(初出の順序を見て驚いた)。
 ルールの捻りは第三話、事件そのものは意外にも(とは、花林の言う通り “言ったもん勝ち” だと私も思うので)第一話のダイイング・メッセージが面白い。

 この “悪女センサー” 設定で最も意外な捻り方はこうかな、でも具体的にどう展開すればフェア・プレイを維持しつつそれが出来るのか判らんな~、と思ったら第六話がそうだった。成程、そう来たか。グッジョブ。
 シリーズ最終話があのトリック。某有名作を意識しているのかも。

No.2 5点 まさむね
(2026/04/27 23:46登録)
 「好きになった女性が必ず犯罪に関与している」という、(ミステリ向きな)特異体質を有する男子高校生と、その幼馴染であり、探偵を目指す女子高校生が織りなす短編集。
 ちょっとしたラブコメ要素に関しては、まぁ個人の好みの問題として評価云々はしないけれど、いかにもワンパターンに陥りがちな設定に対し、様々な「使い方」を施している点はプラスに捉えたいと思います。そして本格要素も盛り込まれています。
 一方で、うーん、何だかなぁ…といった短編もあったし、全体としても、もっと突き抜けてほしかったな…と感じたのも事実。設定上の制約もあるのかなぁ…。決して不味くはないけど相当に薄めのコーヒーを飲んだような印象。

No.1 5点 kanamori
(2026/04/06 11:48登録)
タイトルが表すように、毎回、好きになった女性が実は殺人犯だったり、犯罪を計画している人物だったりする「悪女レーダー」のような”特異体質”を持つ隆一郎と、幼な馴染みの女子の同級生で名探偵を志す・花林のコンビが六つの事件の謎ときに挑む連作短編集です。

まあ一応の特殊設定モノとも言えますが、隆一郎の動向から花林が事件の犯人を察することができてしまうことで、偽の手掛かりやアリバイ崩しなど、一種の倒徐形式のミステリに似た読み味の話もあります。
最初の2編を読んだ時点では学校が事件現場ということもあり、学園ミステリのようなライトな作品集かと思いましたが、途中からは、結構ガチガチの本格モノが続きます。夏の浜辺とリゾート別荘を舞台にした複雜な構図の「海岸通りでつかまえて」と、雪の山荘が舞台の最終話「あなたの愛を……」がまずまずの出来かなと思います。面白い特殊設定を思い付いたものの、それを充分に活かせ切れなくて中途半端になった作品集と言う感じがします。

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