| 目には目を |
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| 作家 | 新川帆立 |
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| 出版日 | 2025年01月 |
| 平均点 | 7.25点 |
| 書評数 | 4人 |
| No.4 | 7点 | パメル | |
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(2026/03/04 08:51登録) かつて15歳で傷害致死事件を起こし、少年院で1年3カ月を過ごした少年Aが、娘を殺された母親によって殺害される。誰が殺された少年Aで、誰が少年Aの居場所を遺族に密告した少年Bなのか。元雑誌編集者の主人公が、当時少年院の同じ寮で過ごした6人に1人ずつ訪ね、取材していくという取材記の体裁で物語は進む。個性的な6人の少年時代の出来事や、彼らが抱えていた家庭環境の歪みが次第に浮き彫りになっていく。 証言の積み重ねによって人物像が少しずつ変化して見える構造は巧妙。少年犯罪、被害者遺族の感情、法と正義の限界といった重いテーマを扱いながら、後半に明かされる意外な真実やタイトルの真の意味など、ミステリとしての驚きも兼ね備え読み応えがある。個人的には救いのあるラストと思ったが、読者の倫理観によって意見が分かれる議論を呼ぶ作品と言えるだろう。 |
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| No.3 | 7点 | みりん | |
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(2025/11/08 06:42登録) 娘を殺された女の復讐譚ではなく、殺人を犯して少年院に服役していた6人の少年達の生活と社会復帰後の姿を取材する話。 少年達の中には更生している者もいれば、犯行時から微塵も変わらない者もいる。 目には目を。殺人には殺人を。そんなありふれた話では終わらない。復讐の連鎖を終結させる主人公の選択「反省には反省を」 明言を避けて誤魔化すのではなく、贖罪に対して2つのアンサーを並列に示しているところが凄い。 |
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| No.2 | 7点 | まさむね | |
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(2025/04/13 15:00登録) N少年院の同じ班で過ごした6人。退院後、その中の少年Aが殺害される。犯人は娘を少年Aに殺された母親で、被害者遺族が加害者に復讐した「目には目を事件」として注目される。母親は少年Aの情報を、同時期に少年院にいた少年Bから入手したらしい。被害者Aは誰で、密告者Bは誰なのか…。 そのうちの一方は中盤で明かされるのですが、他方はなるほどそうか、言われてみればそうか…と印象深い。ルポルタージュ風に物語が進行する中で、各々の登場人物への自分の感情が次々に変わっていきました。罪とは何か、贖罪とは何か、考えさせられる作品です。 |
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| No.1 | 8点 | 文生 | |
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(2025/03/23 08:22登録) 新川作品といえばフェミニズムの観点から女性差別を描いた作品が多かったわけですが、今回のテーマは少年犯罪。人を死に追いやった5人の少年の心理を主人公の丹念な取材によって浮かび上がらせており、善悪の二元論で安易にカテゴライズしない姿勢が素晴らしい。加えて、最後のどんでん返しにも驚かされますし、やるせなさのなかに一筋の希望が紡がれるラストも感動的。 一皮むけた感のある著者の最高傑作です。 |
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