ウォッチメイカーの罠 リンカーン・ライムシリーズ |
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作家 | ジェフリー・ディーヴァー |
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出版日 | 2024年09月 |
平均点 | 5.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | take5 | |
(2025/06/30 21:15登録) いつもながらリーダビリティは高いです ちがうのは敵役の心理と行動がはっきり オープンなことで、どんでん返しを損な うもとになってしまいました。これまで の宿敵が消えて、次作は女性Xがそのや くをするのでしょうか。著者75歳を過 ぎ、ここからかつてのワクワクは、かな り厳しいかなと。少し淋しく感じました 。 |
No.2 | 4点 | レッドキング | |
(2025/03/01 12:05登録) ライムシリーズ第十六弾。「チャールズ・ヴェスパシアン・ヘイルがNYにやって来たのは、リンカーン・ライムを殺すためであった」・・・ついに来てしまいました「ウォッチメーカー最後の事件」。長年、そろそろだと思ってはいたが・・・お別れは突然にやってきて、すぐにすんでしまった。ウォッチメーカー最後の陽動は、必殺凶器「フッ化水素酸」と大型クレーン倒壊惨事を利用したスクリーンプレイ。初っ端から、Who(= ウォッチメーカー)、Why(= ライム殺し)を声高に謳うため、その後のツイスト展開、ネタは派手なのに驚き効果はギクシャクしちゃって、そこは残念。シリーズのラスボス、ライムのモリアーティ、その最後は、ライムとの以心伝心の元に、ニヒリズムの海に沈む、静かなる落陽であった。 ※ところで、このシリーズ、次作からは「ウーマンX」てのがラスボスになんのかな? 愉しみ(^o^)丿 |
No.1 | 6点 | HORNET | |
(2024/10/31 22:47登録) 高層ビルの建設現場で突然、大型クレーンが制御不能になり倒壊した。コムナルカ・プロジェクトと名乗る犯人から、都市開発計画を中止する要求があり、中止せねば事故は続くとの犯行声明が。捜査を依頼されたリンカーン・ライムは、微細証拠の分析と推論から恐るべき結論にたどり着く。「犯人は、ウォッチメイカーだ―」…長きに渡って対峙してきた科学捜査の天才と稀代の犯罪者が、ついに決着の時を迎える― 裏の裏まで読み通して、犯罪を計画・遂行するウォッチメイカーことチャールズ・ヘイルと、その裏の裏まで読み解くライム。因縁の2人の最後の対決は、ビル上にそびえる大型クレーンの倒壊という、今までにない舞台設定で魅力的に始まった。ライムの仲間たちが抱える別件の事件捜査が同時進行で進み、やがては交差していく展開も最近の本シリーズではお馴染み。相変わらず退屈さを感じさせない展開で、前半は引き込まれて読み進められた。 だが、「ライムとウォッチメイカーの最終対決」ということで腕によりをかけすぎたか、後半に行くにつれて事件(物語)の構造があまりにも複雑に。お決まりの「どんでん返しに次ぐどんでん返し」の二重三重構造も、真犯人(事件の黒幕)の意外性は確かにあったが、動機がなんだったのか、イマイチしっくりと理解できていない。 作中では、ライムが自身の後継者にロナルド・プラスキーを指名する件があった。今後は主人公を変えて第2シリーズのようになっていくのだろうか。興味深い。 |