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ミステリの祭典

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ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッター

作家 J・K・ローリング
出版日1999年12月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 3点 ボナンザ
(2024/10/13 21:07登録)
装丁でわくわくしながら読んだものの、食べ物関連が一番印象に残っている。

No.2 7点 Tetchy
(2024/10/11 00:50登録)
映画が先か?小説が先か?で云えば明らかに映画が先だったわけだが、読んでみるとなるほど、映画は小説の内容を余すところなく捉えており、小説ファンにしてみればかなりよい出来だったのではないかと思われた。

映画が先の場合、小説の登場人物は全て俳優にインプリントされるわけでこれが便利なのか不便なのかよく判らない。
私の場合は全然抵抗なく物語に入っていけたし、俳優もイメージ通りだった。内容といえば、やはりこれは長く続くシリーズのイントロダクションの要素が強いのだが、ローリングの手腕は布石を全体に散りばめており、読書に対する発見や驚きを読者にきちんと提供している。これは確かに子供に受けるわけだ。ニコラス・フラメルの謎なんて結構驚いた。あからさまに冒頭に書いているのだから。クリスティ再読さんがおっしゃるようにこれもミステリを重んじる英国の風土が作者にも根付いているのだろう。

魔法の道具の使い方も物語と融合しており、とても素人が書いたものとは思えない。スネイプの使い方が非常に上手く、恐らくはこの最後の敵の正体とスネイプの二面性が読者に大いに受けたのであろう。

で、私だが、やはり映画を先に観ると、登場人物のイメージがすんなりと頭に浮かぶものの、ストーリーが頭に入っているものだから、面白さは半減した。というより、映画がかなりよく作られていることを再認識したというのが正解か。

No.1 7点 クリスティ再読
(2024/10/10 09:15登録)
本サイトだと皆さん手を出しにくさを感じていたのかな。

このシリーズ、ミステリ的な手法が頻繁に使われていることは、きっと皆さまもお気づきのことだろうと思う。特に「秘密の部屋」とか「炎のゴブレット」あたり評者もコロリと騙されてたよ。ファンタジーグッズを絡めたSFミステリ的トリックと呼ぶべきだろう。あと、最終盤での杖の忠誠を巡るロジックなど、ミステリ的興味と呼ぶべきものをかなり満足させるシリーズであることは疑う余地はない。

それ以外に、評者がこのシリーズを扱いたい理由と言うのももう一つあるのだが、これはシリーズ終盤の話なので、ここでは措いておく。というわけで、まずは「賢者の石」。

あらすじは省略。シリーズ開始作であり、ホグワーツに着いて組分け完了までで本の約半分を費やす。だから「事件」はシリーズ中最軽量。それでも「一人二役」?なミスディレクションをさりげなく入れてあるあたり、侮りがたい。シリーズ開始作だから、予備知識なしで読みだしたらいかにも悪役風に描かれる例の人を悪役だと普通思うだろ。子供向けと思ってたらなおさらだ。小ネタ中心に描いていくのが、あとで関連性を示される(ドラゴン飼育話とか典型)のも、ミステリ的な趣向だ。

いや評者、一番最初に読んだときでさえ「クリスティ的な伝統ってあるんだな」と思ったくらい。本サイトで扱っても反則にはならない。

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