全員犯人、だけど被害者、しかも探偵 |
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作家 | 下村敦史 |
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出版日 | 2024年08月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 4点 | たかだい | |
(2025/01/05 17:18登録) 廃墟に閉じ込められた男女。犯人以外は全員、毒ガスで殺される。そんな状況下で、各々がいかに自分が犯人であるかを語り、またその騙りを周囲が否定する。果たして、最終的に『犯人』と認定される生者は誰か… コンセプトが非常に面白く、ある意味で話の全てを物語るタイトルも非常にユニーク しかし、個人的にはそこ留まりに感じた作品でした 既に自殺として処理された社長の死を「あぁでもない」「こうでもない」と考察(自白)するのが主な流れなんですが、自白しては否定されが何度も繰り返されるので、ちょっと単調に感じてしまったのが理由かと思います |
No.1 | 6点 | 虫暮部 | |
(2024/10/31 12:40登録) 特殊な条件のデスゲームで参加者が舌先三寸に命を懸けて自白合戦、と言う発想の転換はとても面白い。変則パズラーに社会派を混ぜたエンタテインメント。そこで終わらせておけば良かった。 それを更に捻って囲い込んだのは蛇足に思える。真犯人の行動原理も強引で、設定ありきな感じ。整形して逃げたならもう脅迫者が誰でもいいじゃん。これには作品全体の評価を下げざるを得ない。 単行本表紙は深水黎一郎『ウルチモ・トルッコ』、更に遡ればレコードだけどユーライア・ヒープ『対自核( Look At Yourself )』、コンセントピックス「顔」。由緒正しいデザインなのである。 |