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ミステリの祭典

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天狗屋敷の殺人

作家 大神晃
出版日2024年05月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 人並由真
(2024/07/21 08:28登録)
(ネタバレなし)
 悪くはない……とは思う。
 イヤミとかの意はまったくないつもりで言うけれど、これが昭和30年代の旧作パズラーだったなら、おお、なかなか拾い物だねえ! 的にトキメいたという感じがする。

 ただまぁ、2020年代のあんな作品もある、こんな作品も出てる、新本格ミステリ円熟時代にあっては、あまりにフツーすぎる印象。
(大トリックも、実際の決行時をイメージするとなかなかのインパクトなのだが、似たのをしばらく前にどっかで読んだような……。)

 ヒロインのヤンデレ設定と、主人公の自覚的な美形イケメン設定も、もうひとつ踏み込んで栄えなかったのも残念。お話はよくまとめてあるとは思うが、全体的に小説的な演出にワサビが効いてない(©仁木悦子)という感慨を抱く。後半はうっすら眠かった(汗)。

 とはいえ作品はシリーズ化されそうなので、次が出ればまたたぶん読むでしょう。

No.1 5点 文生
(2024/06/04 14:23登録)
第10回新潮ミステリー大賞最終候補作
山奥の村の旧家において遺産を巡って連続殺人が起きるという横溝正史のオマージュ作品です。それに加えて超絶イケメンの主人公やすぐに包丁をちらつかせるヤンデレヒロインなどキャラが立っていてなかなか読ませます。ただ、小説としての完成度は低くないものの、本格ミステリとしての出来は凡庸。ミステリを読み慣れている人ならこのあたりが怪しいというのはすぐにわかりますし、真相に関しても特に驚くべき点がなかったのが残念です。

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