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ミステリの祭典

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お梅は呪いたい

作家 藤崎翔
出版日2024年02月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2024/08/12 21:31登録)
 戦国時代、呪いで大名一族を滅亡にまで追い込んだ日本人形「お梅」。五百年を経た令和の世に、その封印が解き放たれる…っていう設定のうえでの「お梅」が何とも素敵です。動いているところを、ちょっとだけ見てみたいです。
 呪おうとすればするほど幸せに繋がるという、ネタとしてはありがちではあるけれど、語り口もコミカルで可笑しいし、何気に「人生の転機って何だろうね」という、時代を超えた命題を問うているような気もします(いや問うてないか)。純粋に面白かったですね。続編もありそうなので、楽しみに待ちたいと思います。

No.1 7点 メルカトル
(2024/04/30 22:29登録)
古民家の解体中に発見された謎の日本人形。それはかつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった! 興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られたお梅は、早速彼を呪い殺そうとするが、500年のブランクは長すぎた!? 呪いが効かないどころか、お梅の心霊動画がバズってしまい……果たしてお梅は無事に現代人を呪い殺せるのか。笑いと涙のオカルトハートフルコメディ!
Amazon内容紹介より。

何と言ってもお梅(人形だけど)のキャラが良い。特に現代文明に付いて行けなくて勘違いする辺りも可愛げがあって面白いです。
戦国時代に呪い殺された者多数で封印されたのが解け、現代に蘇ったお梅を拾った人間達を呪い殺そうとするが、逆に幸せにしてしまう連作短編集。様々なタイプの物語を読めるし、人間の意外な裏側を覗けたり、思わずクスッとしてしまう叙述も沢山あり、色んな意味で楽しめます。どの短編も高水準をクリアしており、巧みに伏線を回収し、それぞれの短編で登場したチョイ役が他の短編でキーパーソンとなり、なるほどそう来たかと唸らされます。

中には事件性が高いものもあって、ミステリ好きも納得の出来だと思います。まあこの作者にしてみれば、この程度の仕掛けは朝飯前でしょう。
一時期入手困難で、Amazonでも送料400円以上で販売されていましたが、定価792円の本をそんなに高い送料で買わされるのは堪ったものじゃないので、裏技で本体価格のみで手に入れ読みましたが、その甲斐はあったかなって感じです。

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