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ミステリの祭典

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奇蹟審問官アーサー 神の手の不可能殺人

作家 柄刀一
出版日2002年04月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 6点 TON2
(2013/03/25 18:44登録)
講談社NOVELS
 探偵役が、カトリックの聖者・福者に列するために奇蹟の調査を行う、バチカンの奇蹟審問官アーサー・クレメンスです。
 奇蹟と思われたのが実はトリックだったと暴いていくわけですが、このトリックが普通のミステリーよりひとひねりしていると思います。ただトリックが明らかにされるたびに、宗教がらみの不可思議さが薄れていくのは残念でした。
 カトリックからは異端視されるグノーシス主義についてもふれられており、この点は個人的趣味にどんぴしゃりでした。

No.2 5点 touko
(2012/08/07 23:35登録)
ヴァチカンの奇跡審問官がアルゼンチンがモデルの国を舞台に、不可能状況下で連続殺害されていく現代の聖者「十二使徒」の謎に挑む。

ユニークな設定、異国情緒溢れる舞台、ミステリアスで知的なイケメン探偵役、凝ったトリック……なのに、なぜこんな地味で盛り上がりと魅力に欠ける作品になるのか、作中に出てくる様々な不可思議な現象よりよほど不思議で、ヴァチカンに逆奇跡として申請したくなるくらい!?(笑)

オカルトじみた現象や不可能殺人を合理的に解き明かすという本格の王道をいっているにも関わらず、偶発要素が強いのもさることながら、物理トリックがちまちましすぎていて、時刻表ものと同じくらい、サプライズもカタルシスもないのも難点でしょうか。

No.1 5点 abc1
(2010/02/15 09:23登録)
事件がてんこ盛りで、動機が全く理解できない点を除けば、本格ミストリとしての力作だと思います。ただ探偵役と視点人物に魅力が乏しいのが、高得点が付けられない理由でしょうか。

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