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ミステリの祭典

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十字架クロスワードの殺人

作家 柄刀一
出版日2003年02月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 5点 三枝
(2024/01/27 12:46登録)
※ネタバレあり※

2つの視点が同時進行するプロットは嫌いではないですし、それらが絡み合っていくのも期待通りではあったのですが、真相の粗が目に付きます。
特に多くの読者を引きつけるであろう、ガラスを破った腕の左右が逆になっていたことの答えが犯人の凡ミスというのは肩透かしもいいところではないでしょうか。
電話線の切断1つとっても「ポケットから万能ナイフを拝借して」って万能ナイフみたいな分厚い重量物が素人にスリ取れるものでしょうか?
一美のシェルター脱出劇も前日に答えが変わっている状況であの方法がうまくいくのか疑問です。

陽光の事件で顕著ですが、突発的な犯行を意識して犯人の行動を全体お粗末にしている感がありますが、それがミステリーとしてのおもしろさを削いでいる感じです。

ラストでクロスワードを大外れさせながら想いを伝えていくくだりはおしゃれでした。

No.1 4点 E-BANKER
(2010/05/28 23:38登録)
天地龍之介シリーズ。
氏の作品は、とにかく「読みづらい」という風評を真に受け、いわば「食わず嫌い」という感じでしたが・・・
うーん。やっぱり、なんか合わないですねぇ・・・
本作品もプロットとしてはなかなか魅力的だと思います。
離れた2つのクローズドサークルで起こる殺人事件・・・当然2つの事件の間には関連性があるのですが、どういう仕掛けになっているのか?
「見せ方」が下手なのかもしれませんし、真犯人にあまりにも意外性がなさすぎるのも致命的です。
「片腕を切断した理由」もイマイチ納得できません。
なんか批判的なことばかり書いてますが、「誉めるところ」がないのも悲しいかな事実です。

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