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ミステリの祭典

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神津恭介への挑戦
神津恭介シリーズ

作家 高木彬光
出版日1991年07月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2025/11/09 00:37登録)
(ネタバレなしです) 高木彬光(1920-1995)は1979年に脳梗塞で倒れ、懸命のリハビリに努めるも1981年に再発してしまい、神津恭介シリーズ第14作の「古代天皇の秘密」(1986年)、墨野隴人シリーズ第4作の「現代夜討曾我」(1987年)、神津恭介シリーズ第15作の「七福神殺人事件」(1987年)、墨野隴人シリーズ第5作の「仮面よ、さらば」(1988年)を何とか書き上げて一度は引退表明をしました。しかし雀百まで踊り忘れずでしょうか、1991年に神津恭介シリーズ第16作となる本格派推理小説の本書で文壇復帰します。満員電車で男が毒殺され、その友人がホテルから失踪(別の友人は彼も殺されたと主張します)と事件が相次ぎます。事件の背後に女性への集団性的暴行の疑いが浮かび上がり、犯罪捜査から手を引いてから5年が経過した神津恭介の復活にふさわしい事件とは思えませんが密室事件を絡めるなど謎を深めて何とか出馬にこぎつけます。なかなかインパクトのあるトリックが使われていますがこのトリック、1970年代の某漫画作品で既出のアイデアですね。本書の方が細かいところまで考えられてはいますけど。謎解きよりも事件の悲劇性の方が印象に残りました。なお作中で「悪魔の嘲笑」(1955年)のネタバレがありますのでまだ未読の読者は注意下さい。

No.2 6点 測量ボ-イ
(2013/06/01 16:35登録)
氏の作品を久々に読みました。
神津恭介、老いてなおカッコいいですねえ。
(妙に超人化して逆に魅力をなくした御手洗潔とは対局
 をなす)
作品自体はまあ水準レベルでトリックも新味ありますが、
ちょっとリアリティに問題あるかも(○○○-○反応とか
出ないのか)。
でもまあ細かいツッコミは止めときましょう。

No.1 5点 江守森江
(2009/05/24 08:20登録)
神津恭介の復帰に喜び手にしたものの、時代の流れとは恐ろしい。
水準レベルの本格だがわざわざ神津物にしなければ良かった。
唯一驚くとしたら、約15年の時を経て現実に同様の手口で死体処理した事件が起き、あっさり犯人が逮捕された事だろう。

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