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ミステリの祭典

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地雷グリコ

作家 青崎有吾
出版日2023年11月
平均点7.65点
書評数23人

No.3 9点 silver cloud
(2024/01/14 23:41登録)
誰もが知っているゲームにルールを追加して、全然予想できない展開を作り出す。ゲームの結果は決められているけど、その結果にたどり着く'HOW'が見事。
青崎有吾って頭いいね。俺のベストは『自由律ジャンケン』と「だるまさんがかぞえた」。

No.2 8点 メルカトル
(2024/01/01 22:28登録)
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
Amazon内容紹介より。

誰もが一度はやったことのあるであろう「じゃんけんグリコ」(地域によって呼び名が異なるらしい)。じゃんけんをしてグーで勝てばグリコと言って三歩進み、チョキで勝ったらチヨコレイトで六歩進む、あの遊び。これを応用して、階段の途中に三ヶ所地雷を仕掛ける事が出来るというルールで勝負するのが表題作。これがトップに配されています。

他にも坊主めくりと神経衰弱をミックスした『坊主衰弱』等のゲームを、主人公で滅法勝負ごとに強い射守矢真兎が強敵を相手に飄々と勝負していく連作短編集。そして最後に最強の敵であり、昔仲間だった因縁の相手との変則ポーカーの大勝負に挑みます。
いずれもルールの盲点を突いて、意外過ぎる妙手を打ち続ける真兎。相手の心理を読み尽し、その裏をかいてどんな場面でも冷静な判断を怠らないこの主人公には、正直憧れすら抱いてしまう魅力があります。サブキャラもそれぞれ個性的で読んで良かったとつくづく実感出来る作品です。特に驚いたのは『だるまさんがかぞえた』で見せた反則スレスレの大技で、誰も予想だにしない結末を演じて見せます。これだけでも必読と言えるでしょうね。
ミステリ作家ならではの奇想が読者を魅了します。優れたギャンブル小説であり、素晴らしい頭脳戦と心理戦を堪能できること請け合いです。

No.1 8点 文生
(2023/12/09 10:21登録)
『カイジ』や『賭ケグルイ』などを髣髴とさせるギャンブル小説ですが、そこに本格ミステリ作家としてのノウハウを駆使し、単なる駆け引きやイカサマをの域を越えた推理やトリックをたっぷりと盛り込んでいるのが楽しい。
マイペースで勝負ごとにめっぽう強い女子高生・射守矢真兎、堅物で理論派の生徒会役員・椚先輩、審判役でつかみどころない塗辺くんなど、キャラクターもみな個性的かつ魅力的。エンタメ小説として抜群の面白さを誇る傑作です。

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