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ミステリの祭典

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8つの完璧な殺人

作家 ピーター・スワンソン
出版日2023年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 文生
(2023/11/05 09:24登録)
作者のミステリ愛溢れる1本で、読む側としても『ABC殺人事件』や『赤い館の秘密』などの名前が出てくるだけでワクワクしてきます。主人公が過去にブログで紹介したミステリー小説を摸した殺人が次々に起きるというプロットも申し分なしです。ただ、主人公が妙に冷静なのでサスペンスがいまひとつ盛り上がらないという難点があります。真相もそれなりにまとまってはいるものの、はっきりいってパンチ不足です。HORNETさんの指摘にもあったように、ピーター・スワンソの趣味的な側面が強い作品だといえます。
ちなみに、作中で名前が挙がっているミステリー作品は全力でネタバレがされているので未読の人は要注意です。

No.1 5点 HORNET
(2023/09/30 20:45登録)
 ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは以前、“完璧な殺人”が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』…。捜査官は、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているというが…。ミステリーを心から愛する著者が贈る傑作!
(「BOOK」データベースより)

 海外古典の有名作品のネタバレ満載のようなので、未読かつ読む予定の方は要注意。作者の魅力はサスペンス的な臨場感ある展開だと思っているのだが、本作はその点では期待とは違ったかも。さらに登場人物の関係性が少し複雑で、何度か巻頭の登場人物リストを確かめながら読む感じだった。
 前半の終わりくらいから、主人公の内実が明かされることによって物語の展開が変わってくるのだが、そこから興趣がぐっと増した。ただラストの真相開示はそれほどの衝撃はなく、どちらかというと作者のミステリ愛を充溢させることに主がある作品という感じがした。

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