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ミステリの祭典

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吸血鬼の仮面
オーウェン・バーンズシリーズ

作家 ポール・アルテ
出版日2023年06月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 レッドキング
(2023/10/24 00:25登録)
ドラキュラ・青髭・カーミラ・幽霊といったホラーの定石に、密室殺人や降霊会・・ディクスン・カー十八番を重ね、そこへ、カー定番ベタドタLOVEろまん混ぜて、カー必殺「鏡トリック」サービスまでも付けちゃって・・・

No.2 6点 人並由真
(2023/08/17 06:04登録)
(ネタバレなし)
 20世紀初頭の英国。ブラム・ストーカーの新著『吸血鬼ドラキュラ』が数年前にベストセラーになった時代。片田舎にあるクレヴァレイの村では魔性の者と思しき怪しい人物が跋扈し、そして一年半前に死んだ若妻の死体が、なぜか死後ひと月ふた月という鮮度を保っている怪異が生じていた。一方その頃、ロンドンでは、アマチュア名探偵オーウェン・バーンズが、またしても奇妙な殺人事件に関与していた。

 2014年のフランス作品。バーンズシリーズの長編第6弾。

 サービス精神の高さでは『混沌の王』を上回り、終盤のどんでん返しにも伏線の回収にもちょっと唸らされた。
 しかし一方で筋立ての強引さ(この流れで、二つの事件が結び付くのに違和感)や、反則スレスレのニッチな技の大盤ぶるまいに、引くわー引くわー。
 まあその分、良くも悪くも、作りものの謎解きミステリらしい楽しさも感じさせる。
 日本の作品でいうなら、筆が乗った時の旧世紀の頃の、辻真先の長編みたいだ。
 
 ヒロインの扱いは、え!? と軽く、いやかなり驚いた。
(これくらいまではギリギリ言っていいだろう。)

 出来がいいとは言えないんだけど、アルテやっぱり面白い。

No.1 5点 nukkam
(2023/07/27 05:57登録)
(ネタバレなしです) シリーズ前作から7年ぶりとなる2014年発表のオーウェン・バーンズシリーズ第6作の本格派推理小説で、作者が得意とする密室殺人事件もありますが不可能犯罪趣味よりも怪奇趣味の方が上回る作品ではないでしょうか。「死後に心臓に杭を打たれて周囲にニンニクをばらまかれた死体」、「1年前に死んだのに最近死んだかのような死体」、「鏡に姿が映らない男」、「人の歯でないものでつけられた首筋の傷」など読者の好奇心をそそるそうな謎が散りばめられますが、それらから連想されるキーワードが21章でようやく初登場というのは作者のねらいの演出ですね。真相は合理的なものですがあまりに複雑に陰謀が絡み合っていて、とても読者が自力で正解できるようなしろものではないところが評価の分かれ目かもしれません。

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