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ミステリの祭典

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女囮捜査官 5 味姦
女囮捜査官シリーズ/改題『女囮捜査官 5 味覚』『おとり捜査官 5 味覚』

作家 山田正紀
出版日1996年11月
平均点7.00点
書評数3人

No.3 7点 レッドキング
(2025/11/05 09:02登録)
オトリ役の女捜査官、五感シリーズ最後は「味覚」の巻。トランクを持ってバスに載った女の死体が、トランクの中から発見され、渋滞のトンネル車中での扼殺事件で、犯人は「衆視」の中を消失した・・二つの「密室」事件を含み、本格度はシリーズ最高。とりあえず、シリーズ最高点としよう。が、グルメねた・・「美食倶楽部」って・・ともかく、巨悪征伐の組織内抗争展開てのが、ちと異味気味で、鍋が煮詰まってしまったかなと。本格に絞った方が美味しかった。

No.2 7点 蟷螂の斧
(2012/07/23 10:39登録)
本作のメイントリック3つのうち、2つ(トンネルでの密室・DNA鑑定)はあまり一般受けはしないと思います。このシリーズでは、トリックが盛り沢山ありましたが、どうもそれをメインとはしていないような気がしてきました。おとり捜査官という女の性(結構エロティックな表現あり)を主体に、警察内部の葛藤、そして最終回の謀略小説的な要素に+トリックといった感じがします。シリーズは、触・視・聴・嗅・味を副題とし、ミステリーの要素(密室・見立て・アリバイ・多重人格・サイコスリラー等々)がてんこ盛りで楽しめました。最終回は、何故、特被部(女おとり捜査官)を設立したかという謎がどんでん返しで明らかにされます。

No.1 7点 ギザじゅう
(2005/02/22 11:19登録)
本シリーズのトリ。最後で明かされる、女囮捜査官の意味やラストの北見志穂の疾走など、これまたぶっとんだ作品ではある。連作のテーマはジェンダー的な面かと思いきや、日本人論になってしまうのだから驚きではある。ただし、連作抜きで本作だけではチト辛い。顔のない死体に挑んで、なかなか面白いトリックはあるが、現代の検死技術であれを見抜けないとは思えない。トンネル中の密室トリックも知っているか知っていないかの問題ではなかろうか。その他多々不満もあるが、連作としては大満足。傑作の言葉に偽りなし。

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