地球の長い午後 |
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作家 | ブライアン・W・オールディス |
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出版日 | 不明 |
平均点 | 7.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 8点 | クリスティ再読 | |
(2025/08/04 11:00登録) 「SFの祭典」ならたぶん10点。本サイトの趣旨から2点マイナスするけど議論の余地のない大傑作。 地球が自転を停止し、地球の片面では永遠の昼が続き、一方は永遠の夜に沈む未来。永遠の昼の国では太陽からの過酷な放射による暴政が続き、それに適応した植物たちが、動物の地位を奪って、奇想天外な適応放散をしていた....人類は1/5のサイズに縮み、社会も退化した原始的な生活の中で、危険な植物たちから身を守るのが精いっぱい。人類の末裔である部族の少年の、この未来世界での彷徨と冒険。 というわけで、「食獣植物」レベルで人間を捉えて食べちゃおうとする狂暴で危険極まりない植物たちに留まらず、静止した地球と月を蜘蛛のように渡り歩くツナワタリやら、退化した人間に「しっぽ」を付けて操って魚を取らせるポンポンの木、人間に寄生して知識を与えるアミガサタケといった圧倒的な植物のイメージが、悪夢的であると同時に説得力がすさまじい。退化をテーマとした終末イメージも「タイムマシン」に匹敵するレベル。SFというよりもかなり「奇書」に足を突っ込んでいるタイプの作品。たぶん、サイケデリックな界隈からもイメージを補給しているんじゃないのかなあ。良い意味で「洗練」せずに、泥臭い土俗的な雰囲気が生かされていて、小説版「マッドメン」といった趣き。素晴らしい。 (庭の手入れとかしていると、人間が「こうしたい」と思うなんて意志は全然通用しなくて、植物が地下で互いに争いあっているのにうまく介入して、なだめすかして誘導しつつ育てているような気持になる。ドクダミやらクワクサやら手を焼いているよ。植物って時間スケールがスローモーションなだけで、頑固かつ狂暴なイキモノだよ) |
No.2 | 8点 | 文生 | |
(2022/11/29 05:14登録) 地球が自転を止め、永遠の昼が続く世界。地表は巨大な樹木で覆われ、滅亡した哺乳類に代わって巨大昆虫や肉食植物が跋扈する。 作品が内包するイマジネーションの豊かさに圧倒されました。ストーリーなどはあってなきがごとしですが、そんなことは気にならないくらいに世界観が魅力的です。1962年に発表された遠未来SFの名品。 |
No.1 | 6点 | レッドキング | |
(2022/11/28 22:56登録) さらにさらにこれも。ここまで行くと、SF超えてファンタジーさえ超えて、もう、メルヘン・・素晴らしい! |