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ミステリの祭典

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明智卿死体検分

作家 小森収
出版日2022年12月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 4点 虫暮部
(2023/02/24 14:38登録)
 魔術のある世界設定とか階級社会の勢力図とか、本来は “背景” である要素が大量に前面に出て来て、その隙間で物語が辛うじて進行した感じ。貧弱なネタを複数抱き合わせて作品を仕立てること自体は否定しないが、あまり成功したとは思えない。 
 ぶっちゃけ、“明智” の名前が無ければ手に取らなかった。ハッタリに引っ掛かったな~。

 併録短編中の “売れに売れた書物” って直木賞のあの本? メタネタ?

No.1 4点 人並由真
(2023/02/14 06:07登録)
(ネタバレなし)
 ランドル・ギャレットの「ダーシー卿」シリーズの世界観を拝借し(ちゃんとダーシー卿当人の名前も、作中の実在人物として出て来る)、同シリーズの魔術法則を援用した「逆密室」という面白いことをやってるのはわかるのだが、文章が淡々としすぎ、外連味皆無で、提示される蠱惑的な(はずの)謎がまったく盛り上がらず、非常に退屈であった。

 Twitterでは大方の人が本作を褒めていて、ただ一人「個人的にはただただ辛い読書だった」と言っているのが、ミステリレビュアーとしてよく名前を拝見する麻里邑圭人氏だけ。
 評者としてはこの場で、二人目に「うん、王様は裸だ」と、言わせていただく。

 あの「~傑作である」小森収の実作で、面白そうな趣向&設定だから、期待していたんだけどな。世の中、うまく行かないものである。

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