名もなき星の哀歌 |
---|
作家 | 結城真一郎 |
---|---|
出版日 | 2019年01月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | いいちこ | |
(2023/05/15 13:58登録) 人間のアイデンティティは記憶にこそ存在するという着眼点は鋭い。 ただ、記憶を保管・分離・削除・共有・移植することが可能という設定では、どれほど荒唐無稽な話でも成立してしまうから、却ってサプライズを演出しようがない。 いや、それ以前に、そもそも本作の各描写が現実に発生している出来事なのか、誰かの記憶なのかさえ、区別が付かないという強烈な副作用を生じてしまっている。 ファンタジー・ライトノベルとしては水準を超える作品であり、6点の最下層と評価する。 ただ、本作はミステリとしては評価できないし、そもそもミステリとはいえないのではないか |