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ミステリの祭典

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綺譚集

作家 津原泰水
出版日2004年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2022/10/26 11:44登録)
 “忌憚” には文字通り “いみ、はばかる” の意味がある。タイトルは「忌憚集」と言う洒落? と思った程で、ぶっちゃけ平山夢明みたいなグロテスクなホラー短編集。但し、あの人が奇怪な妄想を煮詰めて爆発させるアイデア先行型である(っぽい)のに対し、こちらは文体の魔術師、外殻である言葉サイドからアプローチしてイメージを囲い込み切り取る作風である(っぽい)。
 そして本書では、その言葉使いとしての才が勝ち過ぎて、内実とのバランスが崩れがちだ(それが全てマイナスだとは言わないが)。オチで上手くまとめない作風が短編だと一際目立つ。白眉は「夜のジャミラ」。

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