風琴密室 |
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作家 | 村崎友 |
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出版日 | 2022年05月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 7点 | まさむね | |
(2022/11/05 21:18登録) ああ、びっくりした。純粋に驚いちゃいました。確かに、よく考えればそうだったのだろうけどもねぇ。過去の密室も印象深かった。ハウのみならず、「なぜ密室となったのか」という点がストーリーに綺麗にフィットしていることに感心しました。ラストのシーンもいいな。 でも、突っ込みたくなる点も。 (以下、未読の方は注意) まず、現在の密室について。密室にする必然性がよくわからない。プールに運んだ点も同様。針金は何だったのかもスルー?(私が読み飛ばしたのかな) そして、犯人に関しての驚きはなかったですね。いくらなんでも、あまりにアレ過ぎて不自然でした。読中「で、どうなったのさ」と気になってしょうがなかった。 とはいえ、久しぶりに印象深い青春ミステリを読ませていただき、感謝です。 |
No.2 | 8点 | 虫暮部 | |
(2022/07/18 10:21登録) うわーーー、やららられれたら! 前半、良く出来ているけどその分個性には欠ける青春ミステリ、とか思っていたらドカーン! 私は見事に引っ掛かった。しかもその手掛かりに何となく気付いていながらスルーしていたんだから悔しい。アレについてダラダラと言い訳がましい説明が不要な書き方なのもナイス。ただ、密室トリック(現在のほう)のホワイは強引。撲殺死体を入水自殺に見せかけるのは苦しいし、その為に錠を掛ける必然性も無いでしょ。色々考えたけれど納得しきれなかった。 本サイトの利用者には特に大受けするかも? |
No.1 | 6点 | 人並由真 | |
(2022/07/17 05:27登録) (ネタバレなし) 廃校になった母校の小学校の校舎。地元の役場の方針でその校舎を再活用するため、掃除のバイトをすることになったのは「ぼく」こと現在、高校二年生の夏目凌汰(りょうた)であった。そんな凌汰は幼馴染の友人たちとともにバイトの作業中、久々に村に戻ってきた旧知の者と再会。一同はそのまま無人の校舎で一夜を過ごす。だがそこで謎の怪事件が勃発。それは数年前の凌汰の記憶のなかの、とある悲劇を思わせるものだった。 もともと寡作の作者(これがデビュー16年目にして6冊目の著作)だが、評者は2015年の長編ミステリ『夕暮れ密室』のみ既読。 同作の「なぜ(中略)の密室~殺人現場が生成されたか?」の謎解きの真相は、なかなか印象深いものだった(もちろん詳しくはナイショ)。 そんなわけで同作に続く、その路線の青春ミステリ風新本格作品をこの作者には期待していたが、ようやっと7年目にして当該作の本作が登場。 内容は活字が大きめな上に紙幅もそんなにないし、文章も平易。事件もどんどん起きるのでスラスラ読める。 ただしミステリとしての最大の仕掛けは今回は完全にファール。というより、読了後にネットでのほかの人の感想を伺うと、意外に引っかかったという人が多いのに驚いた。 一方で一部の人は当たり前に「(中略)はわかるよね」と述懐しており、この作品に関しては評者も完全にごく当然の(中略)だったという感慨。そもそも……(以下略)。 密室トリックは豪快といえば豪快だが、まあ昭和の時代に某多作作家のひとりが思いついたアイデアのバリエーションだし、あまりときめきもない。 で、ラストの(中略)もほとんど当初から見え見えで、その辺もう~ん……(汗)。 実のところ、こうやって私的な感想を並べていくとあまりホメるところは残ってないのだが、トータルとしてはなぜか嫌いになれないという妙な魅力のある作品。設定としてはお約束のクローズドサークルものだが、友人たちと廃校になった母校に泊まり込むという王道の文芸に、自分も人並の郷愁を感じたりするからかもしれない。 (ただし、電話が不通になる反面、スマホで外部の世界とネットで通じ、情報の検索はできるという描写がある。それならメールやSNS、掲示板などの経由で外部に事件の発生は知らせられるはずなのに、登場人物たちがそれをしないのはかなりヘンだ。) 良かったところ、狙ってハズしたところ、う~ん、ちょっとね、というところ、全部の総和で評点はこのくらいで。 また次のこの路線の作品を、気長にお待ちしています。 |