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ミステリの祭典

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スクイッド荘の殺人
烏賊川市シリーズ

作家 東川篤哉
出版日2022年04月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 makomako
(2025/08/02 07:22登録)
このサイトで評価されているように。この手のお話としてはちょっと長すぎる気がしました。
いかにもどこかで見たような出だしだが、それにユーモアがたっぷりとふくまれているので結構面白い。
トリックもそれなりにあるしどんでん返し的な展開もあり、最後まですらすらと読めるのですが、これだけ長いお話となるとユーモアで押し切ることがかなり難しいのでしょう。
もともと氏の作品はユーモアの中に本格推理をきちんと?組み込んでいるところが魅力なのです。ただし本格としてはちょっとと思われるところをユーモアで振り切っているところもある。まあこれはこういった話だからと許してしまえるねえ、と面白く読んでしまうのですが。
これがこれほど長いお話だとちょっと無理が目立ってしまうのではないでしょうか。
ちょっと話を変化させればほかの人が犯人でも成り立ちそうです。
昔好きで読んでいたシリーズの作者が、書き始めはだれが犯人か決めておらず、途中でこの人が犯人ということとなるといったようなことを読んで急に嫌になってしまったことがありますが、この作品ではエピローグできちんとプロットを考えておられたような感じでしたので、納得していますが。


でもエピローグを読むとやっぱりきちんと考え抜いて書かれたお話なのでしょう。

No.2 5点 名探偵ジャパン
(2022/09/11 20:15登録)
烏賊川市シリーズのみならず、作者としてもかなり久しぶりの長編なのでは?
あまりに長編を書かなすぎて腕が鈍ってしまった……とは思いたくありませんが、数十年前ならいざしらず、令和の世にこれはさすがに厳しいです。バラバラ死体のトリックは面白いものがあっただけに、ここだけ取りだして短編に仕上げた方がよかったかも?
物語の舞台となる「スクイッド荘」が「イカの姿に似ている」というのも、トリックに関わるわけではなく、ただのネタに過ぎず、ここはかなり残念に思いました。

No.1 6点 まさむね
(2022/06/30 21:19登録)
 烏賊川市シリーズ13年ぶりの長編。鵜飼探偵&流平コンビ、さらに砂川警部&志木コンビ等々、とても懐かしい気分で読ませていただきました。その点は素直に嬉しかったですね。(朱美さんが顔を出す程度にしか登場しなかったのは少し残念だったけど。)
 一方で、ミステリ的な側面についての積極的な評価はしにくい。端的に言えば、長く引っ張るだけのネタだったのだろうか、といったところ。伏線も含めて巧くまとめているし、スイスイと楽しく読ませてはいただいたので、全体として悪い印象ではないのですが、もうワンパンチほしかったかな。
 ちなみに、「烏賊」の英訳が「スクイッド」らしいですね。烏賊押しの姿勢は嫌いじゃないです。

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