| 紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪 紙鑑定士・渡部 |
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| 作家 | 歌田年 |
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| 出版日 | 2022年03月 |
| 平均点 | 5.00点 |
| 書評数 | 3人 |
| No.3 | 5点 | パメル | |
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(2025/12/12 08:10登録) 殺人事件絡みの依頼を受ける1編と日常の謎ともいえる2編で構成された連作短編集。 「猫と子供の円舞曲」小学生の梨花が紙粘土のようなものの鑑定を依頼に来る。公園で怪我をした猫の近くに落ちていたらしい。フィギュア作家の團の助けを借りながら、動物虐待の犯人探しに乗り出す。フィギュアの蘊蓄も興味深く読めたし、伏線の回収も巧みで、そこから導かれる真相も鮮やか。ほっこりとした結末。 「誰が為の英雄」父親を亡くして心を閉ざした少年・翔が、母親からプレゼントされたアメコミヒーローのフィギュアを不良品と言って突き返す。渡部は團と協力し、少年の心に迫るとともに、紙と印刷の専門知識から解き明かす。引きこもりの少年とその母親の関係、子育ての大変さにも触れる人間味あふれる物語。 「偽りの刃の断罪」刑事の石橋から、コスプレイヤー夫婦の殺人事件の捜査協力を依頼される。渡部は團のコスプレ知識や技術を手掛かりに、消えた凶器の謎と真相に迫る。事件解決後も「何が正解だったのか」と考えさせられ、人の命について深く考えさせられる作品。 |
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| No.2 | 5点 | びーじぇー | |
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(2024/08/10 21:39登録) 「猫と子供の円舞曲」は動物虐待の犯人捜し。小学三年生の少女が猫の毛と血の付着した紙粘土が、学校で使われているものかどうか、鑑定を依頼する。紙に関する知見はもちろんのこと、フィギュアに関する蘊蓄も語られるのが嬉しい。謎解きのレッドへリングも、伏線の回収も見事。 フィギア絡みの犯人捜し、アメコミと印刷が関わるホワイダニット、コスプレイヤーの生態と凶器の行方と趣向も多彩。盛り沢山な蘊蓄と、その蘊蓄を有機的に結びつけた謎解きもまずまず。 |
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| No.1 | 5点 | 虫暮部 | |
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(2022/05/15 11:51登録) ミステリとしてはたいしたものではない。ただ全体的に妙な前向きさが感じられ、しかもそれがプラスに作用している。面白さとは別の部分でそれなりの好感度だ。薀蓄小説としての説明的な記述は下手ではなく、ソレを維持したままもう少し味わいを出せれば、と期待したい。移植についての説明には少々変なところがある。 |
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