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ミステリの祭典

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紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪
紙鑑定士・渡部

作家 歌田年
出版日2022年03月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 びーじぇー
(2024/08/10 21:39登録)
殺人事件絡みの依頼を受ける一編、日常の謎ともいえる二編で構成された連作短編集。
「猫と子供の円舞曲」は動物虐待の犯人捜し。小学三年生の少女が猫の毛と血の付着した紙粘土が、学校で使われているものかどうか、鑑定を依頼する。紙に関する知見はもちろんのこと、フィギュアに関する蘊蓄も語られるのが嬉しい。謎解きのレッドへリングも、伏線の回収も巧みで、そこから導かれる真相も鮮やか。
フィギア絡みの犯人捜し、アメコミと印刷が関わるホワイダニット、コスプレイヤーの生態と凶器の行方と趣向も多彩。盛り沢山な蘊蓄と、その蘊蓄を有機的に結びつけた謎解きもまずまず。

No.1 5点 虫暮部
(2022/05/15 11:51登録)
 ミステリとしてはたいしたものではない。ただ全体的に妙な前向きさが感じられ、しかもそれがプラスに作用している。面白さとは別の部分でそれなりの好感度だ。薀蓄小説としての説明的な記述は下手ではなく、ソレを維持したままもう少し味わいを出せれば、と期待したい。移植についての説明には少々変なところがある。

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