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ミステリの祭典

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はるか

作家 宿野かほる
出版日2018年06月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 7点 メルカトル
(2023/07/27 22:35登録)
賢人は小さな頃から海岸で、水入りメノウを探していた。ある時、何年も見つからなかったそれを、初めて会った少女が見つける。彼女の名は、はるか。一瞬で鮮烈な印象を残した彼女を、賢人はいつしか好きになっていた。
Amazon内容紹介より。

冒頭、典型的なボーイミーツガールで、純愛小説なのかと思いました。しかしそんな筈もなく、物語は予想もしていなかった方向に展開していきます。そしてある程度筋が読めてきても、どう転がるか分からない、先を読ませない作者の目論見に、見事に嵌っていく一読者としての私がいました。
もう後戻りできない愛の先に待つものは、果たして桃源郷なのか、それとも・・・。

何とも言えない読後感で、それが返って複雑な余韻を残します。終盤で衝撃を与えておいて、ラストでそれを超える残酷とも言える皮肉なエピローグが待っています。ストーリーはとにかく読んで下さいと言うしかありません。
結構好き嫌いが分かれる作品だと思います、私はかなり楽しませてもらいましたけどね。

No.2 7点 蟷螂の斧
(2022/12/07 18:21登録)
紹介文や、あらすじを先に読まない方がベターですね。結構ネタバレになっています。~「ルビンの壺が割れた」を超える衝撃~の帯に惹かれ拝読。本作も「最後の一行」的構成だと思います。本質的な部分で主人公にとっては結構きついものがあります。好きなタイプのエンドで+1点。

No.1 6点 まさむね
(2022/01/17 23:03登録)
 デビュー作「ルビンの壺が割れた」でヒットを放った覆面作者の第2作。グイグイと読まされた点は素直に評価したいのですが、ちょっと複雑な読後感でしたね。
 終盤までの「気にさせる」具合はなかなかで、様々な結末を想定しながら終盤に突入したものの、ラストでは中途半端な印象を抱きました。一方で、結局はそれでよかったのかな、という気持ちにもなっている辺りが、何とも複雑な読後感につながっています。すごく深いトコロを突いていると思うのだけれども、逆に浅くて薄っぺらい印象もなくはない。個人的には、優美さんが最も普遍的で力強く、かっこよかった。賢人さんは、賢い人ではない。よく分からない書評ですみません。総合的にこの採点で。

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