home

ミステリの祭典

login
ファントムの夜明け

作家 浦賀和宏
出版日2002年11月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 メルカトル
(2019/02/10 22:02登録)
いまだかつて、これほど哀しいホラーはなかった。これほど恐ろしいファンタジーはなかった。これほど残酷なラブ・ストーリーはなかった。あなたはこの哀しくも衝撃的な結末に耐えられるか。死はいつも愛する者を奪っていく。でも、あなただけは。元恋人の失踪、明らかになる妹の死因、忍び寄る死の気配。連鎖する悲劇の果てに待っていたのは…。

浦賀を何作か読んできた人には、やや食い足りないのではないでしょうか。らしさはそれなりに出ていると思いますが、クセがない比較的淡々とした文章となっている為、あまりのめり込めませんでした。
所謂超能力を扱った作品ですが、それを信じる側信じない側両面から描かれており、一体本当に超能力は存在するのか、読者はそれに翻弄されます。結局意外な形で結論は提示されます、まあ一種のファンタジー或いはSFでしょうから、それで全然問題ないとは思います。

中盤まではどっちに転がるか分からないような展開でしたが、終盤から俄然描写が生き生きとしてきて、本来の作者の姿を取り戻し覚醒した感があります。やはりこの独自の浦賀ワールドが全開にならなければ面白くありませんからね。
個人的には期待していたものとは違っていましたが、逆に一般読者にとってはこれくらいの適度な刺激が丁度良いのかもしれません。これもある意味ジャンルミックスと言えるでしょう。SF、ホラー、ファンタジー、ミステリなどが混然一体となった、ちょっと毛色の変わった作品です。

No.2 7点 深夜
(2008/04/05 21:19登録)
超能力もので、ミステリーとしては弱い。この手の話はあまり好みではないですが、ラストはどんでん返しがあって驚愕しました。綺麗にまとまっている作品。

No.1 5点 しゃん
(2003/01/25 22:41登録)
 文章は今までの浦賀氏に比べるとアクがなく、すらすらと読める。しかし、すらすらと読めすぎて、印象に残った部分が少なかったように思う。魅力的な題材だとは思うし、話の展開も素晴らしいとは思うのだが。
 登場人物(?)の感情が余り伝わってこなかった。私の感受性の問題かもしれない。

3レコード表示中です 書評