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ミステリの祭典

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君が護りたい人は
碓氷優佳シリーズ

作家 石持浅海
出版日2021年08月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 6点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2023/08/03 13:33登録)
碓氷優佳シリーズの第六弾。弁護士の芳野は、アウトドア用品店の常連たちとともにキャンプ地に来ていた。芳野は、七人の参加者の中に、ある殺意を持つ者がいることを知っていた。
芳野はその人物の行動を注視し、犯行の手段を推理し、ターゲットを護ろうと動く。だが、殺害を目論む者も二の矢三の矢を用意しているという具合に、推理または推理という密度の濃い作品。
優佳が果たす役割も印象深いし、彼女が放つ冷徹で理詰めの言葉の切れ味も抜群。知的遊戯を満喫できる。

No.2 6点 人並由真
(2022/02/05 06:35登録)
(ネタバレなし)
 茨城県つくば市のトレッキング(山歩き)・サークル「アンクルの会」。その一員である24歳の青年・三原一樹は、サークル仲間で同年の女性・成富歩夏(ほのか)のために、殺人計画を立てた。三原が狙う相手は44歳の市役所職員かつやはりサークル仲間の奥津だ。奥津は両親と中学時代に死別した歩夏を10年間も後見、経済的に支援していたが、その恩を売って彼女と無理やり婚約したのだというのが、三原が心に抱く奥津殺害の動機だった。そんな三原から、年の離れた友人として秘めた殺意を打ち明けられたのは、奥津の大学時代からの友人でやはり「アンクルの会」のメンバーでもある弁護士の芳野友晴。芳野は、奥津殺害を願う三原の決意が固いものとして説得をあきらめ、自分に累が及ばないように配慮しながら、三原の殺人計画の進行を見守るが。

 大きめの活字で二段組、新書版200ページ弱なのでサラっと読める。
 それでもリアルタイムでの三原の殺人計画の右往左往と、過去の回想シーンをからめたサークル周辺の人間関係や歩夏をとりまく経緯の叙述、その二つを交互にテンポよく語るストーリーの流れは、なかなか腹ごたえがある。

 なお物語の途中で、終盤にどういう方向のオチはつくかは大体読める? 自信が湧いたが、はたして実際にどうなったかは、もちろんナイショ(笑)。

 ただしラストの余韻というか、クロージングの演出は、ちょっとムリかとも思う。だって……(中略)。
 
 全体としては、1950年代頃の英国のミステリ作家連中あたりが、旧来の定型のフーダニットパズラーの枠から脱却しようと試みながら書いた、技巧派っぽい、一種のブラックユーモアミステリみたいで楽しかった。

 評点は、7点に近いこの点数という意味合いで。

No.1 7点 文生
(2021/08/29 11:03登録)
物語の語り手が、あらかじめ犯人からキャンプ中に人を殺すことを打ち明けられているという設定が秀逸。そのため、読者は語り手と一緒にこれから起こるであろう殺人の手段を推理することになるのですが、これがなかなか新鮮でした。

驚くようなトリックなどはないものの、シチュエーションの面白さとさまざまな仕掛け、テンポの良さでなどでかなり楽しめる作品に仕上がっています。

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