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ミステリの祭典

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野球が好きすぎて

作家 東川篤哉
出版日2021年05月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 sophia
(2021/11/15 23:20登録)
ネタバレあり

プロ野球ファンなら思わず笑ってしまう小ネタが織り交ぜられたライトな作品で楽しく読めましたが、ミステリーとしては粗さが目立ちます。主な突っ込み所としては、第3話の中断の時間も当然飛ばすのでは?というところと、第4話の犯行現場を偽装するメリットが感じられないというところです。第1話「カープレッドよりも真っ赤な嘘」がシンプルながら綺麗にまとまっていてこの中では一番よかったですかね。あとはパ・リーグの話がもっと欲しかったところです。

No.2 6点 文生
(2021/10/06 12:15登録)
本格ミステリとしては小粒ですが、野球ネタが満載で野球好きな人には堪らない作品です。また、登場人物も探偵・犯人・証人・被害者と、ヒロインの女刑事を除く登場人物のほとんどが野球狂なのでしゃべるたびにいちいち野球を引き合いに出してくるのが楽しい。特に、捜査そっちのけですぐに野球でマウントをとろうとするヒロインの父親&上司のキャラが秀逸です。

No.1 6点 まさむね
(2021/07/11 12:03登録)
 これまでの作品でも、しばしば野球ネタ(殊にカープネタ)を活用してきた東川さん。今回は、タイトルどおり、野球ネタ一気通貫の短編集。何か楽しんで書いていそうだ。探偵役にカープ女子、刑事役にスワローズファンのおじさんとその娘を添えるという念の入れよう。パ・リーグをもう少し取り上げてほしかった…という願望もありましたが、プロ野球愛に満ちた書きぶりは嫌いじゃない(むしろ大好物)。「野球ファンあるある」的なところもいい。その分、プロ野球に興味のない方には、ちょっと辛いかも。
 どの短編も、ミステリとしての一定の質は備えているのですが、ネタとしてはどうしても小粒。その中でも、一発ネタだけれども、短編としての使い方が巧みな「カープレッドよりも真っ赤な嘘」がベストかな。この短編が、有名ミステリ作家に褒められたりと好評だったことを受けて、年イチペースで続編短編を書き続け、この短編集に辿り着いた模様。ちなみに「有名ミステリ作家」がどなたなのか、ちょっと気になりますねぇ。

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