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ミステリの祭典

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ザリガニの鳴くところ

作家 ディーリア・オーエンズ
出版日2020年03月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点
(2023/11/26 11:18登録)
湿地の少女カイアの成長物語として興味深く読みました。
殺人と裁判がありますがミステリーじゃないと思いました。

No.2 6点 メルカトル
(2022/11/10 22:51登録)
ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく…みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。全米500万部突破、感動と驚愕のベストセラー。
『BOOK』データベースより。

本作にミステリを期待する人は読むべきではありません。何故ならミステリとして評価するに値しないからです。一人の少女の成長物語だと思って読めば、それなりに面白いかも知れませんが。まあ私の場合、この湿地の少女と呼ばれたカイアにどうしても感情移入出来なかったので、この程度の点数しか付けられません。評価の分かれ目は彼女に共感するか否かによって決まりそうですね。

所々興味深いシーンはありました。しかしそれは虫の生態であったり、ソフトな性描写などであり、本筋とは関係ありません。読む前はもっと自然に満ち溢れた静謐な雰囲気の物語だと思っていたので、その意味では裏切られた感があります。
一番の見どころはやはり後半の裁判の攻防戦でしょう。確かにここだけ切り取ればかなり面白い。しかし、裁判が始まって直ぐその後の展開が最後まで読めてしまうのが辛いです。ミステリを少しでも読んだ事のある人は、いやそうじゃない人でも大抵はミエミエだと思いますよ。其処に衝撃も意外性も全くありませんでした。ここで素直に驚ける読者は幸せだと思います。
それにしても、本書が全米で500万部売れたんですか?信じられませんね。厳しいかも知れませんが、それが本当なら(勿論本当でしょうけど)、アメリカの文壇も底が知れていますね。

No.1 8点 ぷちレコード
(2020/12/28 18:32登録)
人権に関する意識が希薄であった時代の米国を舞台に、両親に捨てられながらも一人で生きていこうとする少女の姿を、ミステリの技法によって描いた作品。
生き方が他人と違うためにゆえなき差別を受けるキャサリン・クラークは、犯罪事件にまで巻き込まれてしまう。社会が分断された危機的な様相を帯びる今日だからこそ、ぜひ読んでもらいたい一冊。

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