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ミステリの祭典

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ローズガーデン
村野ミロシリーズ

作家 桐野夏生
出版日2000年06月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 レッドキング
(2021/08/11 11:54登録)
女探偵ミロシリーズ短編集
 *「ローズガーデン」・・タイトル作だがミステリではないので採点対象外。
 *「漂う魂」・・水商売女とオカマだらけのマンションに現れる自殺した女の幽霊の正体は?・・3点
 *「独りにしないで」・・超美人中国人ホステスに入れ込み殺された冴えない青年の事件のツイスト&ホワイ・・7点
 *「愛のトンネル」・・SM女王バイトでひと財産築いた「天使の様な」女学生の事故死を巡るフー・ホワイ・・4点 
で、全体で、5点。 ※探偵含めて汚れた世界を這いずりまわる鼠達の話って心地よい。

No.2 6点 HORNET
(2021/01/17 17:21登録)
 表題作は、ミロの死んだ夫が主人公の話で、村野ミロの知られざる背景が見られてシリーズを読んでいる人なら楽しめるだろう。まったくミステリではないのだが、ミロの亡き夫・博夫が回想する高校時代のエピソード内でミロが話していたことは果たして本当なのか、フェイクなのか?そういう意味ではミステリアスだ。
 他の短編もなかなか面白い。一番私立探偵小説らしいのはラストの「愛のトンネル」かな。「独りにしないで」は、結構予想外の真相で面白かった。

No.1 5点
(2020/11/13 23:14登録)
4編を収めたミロシリーズの中短編集ですが、ハードボイルドらしいというと、中国系やくざもからむ『独りにしないで』ぐらいのものです。この作品は、ミロに調査依頼をしてきた男(ミロは依頼を断ります)が殺され、中心となる謎はその動機という話です。
冒頭の表題作は、ハードボイルドどころかそもそも全くミステリではありません。シリーズ番外編とでもいうか、ミロの夫である河合博夫の視点から書かれたものです。彼が仕事で赴任しているインドネシアの川を遡りながら、高校時代ミロと出会ったころから一緒に生活し始めるまでを回想していくというだけの話ですが、一番気に入りました。表題はミロの家の荒れるままに放置された庭のこと。
一つだけ短い『漂う魂』はミロの住むマンションで起きた幽霊騒ぎの顛末。最後の『愛のトンネル』は雑誌発表時の『天使のような私の娘』を改題したそうですが、これは元題の方がよかったように思えました。

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