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ミステリの祭典

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傲慢と善良

作家 辻村深月
出版日2019年03月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 8点 take5
(2023/07/21 17:36登録)
辻村深月さんが好きです。
筆力の高さは周知の事ですが、
結婚にまつわる双方の人間描写が深く、
読んでいてつらくなるほど。
男性側の第1章がミステリーとして8点、
女性側の第2章が再生の物語として7点、
私には平均で7.5点です。
タイトルの傲慢と善良が、
人間には見事に両方
備わっていることを表していて
なるほどなあと思いました。
小野里(大先生)が文中で言うように、
ジェーン・オースティン
『高慢と偏見』のオマージュなのですが、
ただのくっ付けババアではない凄みが
また印象的でした。

No.1 8点 HORNET
(2020/07/12 17:19登録)
 西澤架(かける)は、婚活で知り合った真実と婚約、結婚式を数か月後に控えていた。が、真実はある日突然姿を消す。思い起こせば2カ月前、真実はストーカーに付きまとわれて架に助けを求めて来たのだった。ストーカーが真実を連れ去ったのか?警察に「事件性は低い」と判断されたことから、架は自身の手で真実の捜索に乗り出す。

 「婚活」に励む30~40代の男女事情を描きながら、社会的立場の優劣やステイタスを気にする狭く固定的な価値観に翻弄される人間模様を面白く描いている。真実の行方と失踪の事情を追うリドルストーリーを主軸としながら、親の庇護のもと自立しきれなかった真実の半生が炙り出されていく展開は読み応えがあった。
 ラストはどうなることかと思ったが、読後感の良い終わり方でよかった。

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