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ミステリの祭典

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帝都探偵大戦
森江春策シリーズ+名探偵オールスターパスティーシュ

作家 芦辺拓
出版日2018年08月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 5点 八二一
(2021/12/31 20:15登録)
捕物帳の岡っ引きから戦後の探偵まで、五十人もの名探偵を再登場させ、原著の文体も模写してみせた。凝り性の作者らしい仕上がり。

No.2 5点 SU
(2020/06/08 17:28登録)
帝都東京。犯罪者たちと名探偵たちが繰り広げる死闘を、江戸、第二次世界大戦前、そして戦後と三つの時代を通して描いている。本格愛を極限まで注いだパスティーシュ。リーダビリティーに難あり。

No.1 5点 メルカトル
(2020/05/19 22:04登録)
半七、銭形平次、顎十郎らが江戸を騒がす奇怪な謎を追う「黎明篇」。軍靴の足音響く東京で、ナチスが探す“輝くトラペゾヘドロン”を巡る国家的謀略に巻き込まれた法水麟太郎・帆村荘六らの活躍を描く「戦前篇」。空襲の傷が癒えぬ東京で、神津恭介が“あべこべ死体”に遭遇し、明智探偵事務所宛の依頼を受けた小林少年が奇禍に見舞われ、帝都を覆う巨大な陰謀に、警視庁捜査一課の名警部集団のほか、大阪など各都市からも強力な援軍が駆けつけ総力戦を挑む「戦後篇」。五十人の名探偵たちが新たな犯罪と戦うため、いま集結する。
『BOOK』データベースより。

ざっくり言うと煩雑、ですかね。黎明篇、戦前篇、戦後篇併せて総勢五十人の探偵が登場するわけですから、ただ名前だけでさして活躍しない人がほとんどですよ。一々各探偵が担当する事件が起こったらそれこそ大変なことになりますし。戦後篇なんかは何故金田一耕助が出てこないのか不思議ですし、明智小五郎も最後にちょっとだけ顔見せするだけ。神津恭介が最初に出てくるのは個人的には良かったですけどね。

しかし、相変わらずこの人は文章が下手というか、表現方法がちょっとずれているのではないかと思うんですよね。読みづらく、盛り上がりに欠けるのは毎度のことですね。
最も腑に落ちないのは、戦後篇の裏の主役がなぜあの人なのか、です。別にそんなビッグネームを出さなくても、二十面相で良かったじゃないですか。まあ確かに驚きましたけど。
作者は知っているけれど、探偵の名前はほとんど知らないというね、私も勉強不足でいけません。この作品は言ってしまえば、日本のミステリマニア中のマニアで、あらゆる名探偵に通じている人の為に書かれたとも言えるでしょう。私のような生半可なファンには敷居が高かった訳ですね。登場する全ての探偵譚を読んでいたら、それは楽しめたに違いありません。

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