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ミステリの祭典

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清明
隠蔽捜査8

作家 今野敏
出版日2020年01月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点 haruka
(2023/04/23 22:19登録)
神奈川県警に異動した竜崎の新天地での活躍を期待して読み進めたが、うーん、安定感というよりマンネリ感の方が強くなってきた感じ。

No.2 6点 E-BANKER
(2023/03/26 13:10登録)
「隠蔽捜査シリーズ」も数えて八作目となった。そして今回、竜崎伸也は思い出深い地となった警視庁大森警察署を離れ、新任地となる神奈川県警の刑事部長へ赴任。
ということで新たな展開も予想できる次章が始まったということだろうか?
単行本は2020年の発表。

~左遷先の大森署で署長として数々の功績を上げた竜崎伸也は、神奈川県警に刑事部長として招聘された。着任後間もなく、東京都との境で他殺死体が発見されたため合同捜査が始まる。幼馴染で同期入庁の警視庁伊丹刑事部長と早々に再会を果たし、タッグを組むことになった。被害者が中国人で、公安が関心を寄せたため、やがてこの事案は複雑な様相を呈していく。指揮を執りつつ、解決の糸口をつかむため横浜中華街へ赴く竜崎。彼は大規模県警本部の刑事部長として新たな重責を担うことができるのか?~

上の紹介文で「新たな重責を担うことができるのか?」と書いてますが、「できます」。何の問題もなく。
警視庁と神奈川県警といえば、幾多の警察小説でも書かれているとおり「犬猿の仲」ということだし、本作もその当りがいろいろと突かれるのかなと思ってましたが、竜崎と伊丹ですから! そもそも「犬猿の仲」なんてことが成立するはずありません。
今回、新たな「ファクター」として登場するのが「警察OB」。どこの組織にもOBは存在してますが、警察OBはキャリア、ノンキャリアに限らず絶大な発言権を持っている存在(らしい)。転任後早速警察OBの洗礼を浴びる竜崎なのだが、そこは竜崎。そんな旧態依然の慣例に潰されるはずもなく・・・どころか早速手懐けてしまう始末。
ついでに「横浜」といえばの「中華街」に強大な影響力を持つ老華僑の重鎮にも友人を持つことに!
いやいや、これは順風満帆すぎでしょ!
まあここまで本シリーズを読み継いできた読者であれば、「竜崎ならこれくらいできて当然」「早速神奈川県警の部下たちにも慕われて良かった!」など、好意的にどうしても捉えてしまうわけですが、それにしてもねぇ・・・

今回は「公安」という警察組織で最も手強い存在と一旦は対峙することとなった竜崎。しかし、その強力な相手であるはずの警視庁公安部長に対しても全く臆することなく「原理原則」を貫きとおす竜崎。そう、もはや彼に敵はいないのか?ここまで来れば、一地方組織の刑事部長なんて枠に収まる方がもったいない!
ぜひとももっともっと大きなステージへ、そう政界だ。竜崎ほどの才能は日本全国に影響できるステージこそが似合うのではないか?
いやいやつい脱線してしまった。次作は用意されてますし、まだまだ神奈川県警でも活躍してくれないと困ります。
次作では骨のある敵が立ちふさがることも期待して・・・(でも当然、それを完膚なきまでに叩きのめしてくれる竜崎にも期待しているのだが・・・)

No.1 8点 HORNET
(2020/02/24 19:30登録)
 大森署長として禊(?)を終え、神奈川県警刑事部長としてキャリア復帰した竜崎伸也の、シリーズ第8弾。
 着任早々、発生した死体遺棄事件は、警視庁との合同捜査。おなじみの伊丹をはじめ、警視庁時代の馴染みの面々と共に事件解決に向かう竜崎。
 そんな折、運転講習のために自動車学校に通っていた妻の冴子が講習中に事故を起こしたという一報が入る。警察署に2時間以上交流されているという状況を不審に思い、交流先に向かう竜崎。その自動車学校の所長は、キャリアに反感をもつ警察OBだった――

 事件の真相追及という本筋はもちろん、それにまつわる件の自動車学校所長とのやりとりや、公安とのやりとりが見もの。いかにも竜崎らしい処し方に「相変わらずだなぁ」とニンマリ。
 シリーズで巻を重ねても、期待を裏切らない、変わらないクオリティ。

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