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ミステリの祭典

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島崎警部のアリバイ事件簿

作家 天城一
出版日2005年06月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2015/11/12 14:01登録)
(ネタバレなしです) 2005年に出版された短編集で、PART1は列車の名前をタイトルにしたアリバイ崩しの中短編9作、PART2はよりバラエティーに富んだ14作が収められています。「ダイヤグラム犯罪編」の副題を持つPART1は時刻表を駆使する作品が多く、中には1つの作品で時刻表が5つも6つも使われています。ただ路線図が付いていなくてわかりにくい謎解きの作品があるのは不満でした。このPART1ではトリック批判の多かった鮎川哲也の「砂の城」(1963年)を擁護するために書かれた「急行《さんべ》」(1975年)が力作だと思います(鮎川作品のネタバレになっていますので注意下さい)。、「不可能犯罪編」という副題のあるPART2の方は書かれた時代が1948年から2001年までと幅広い上に全部がトリック作品というわけではなく、犯罪小説風や社会派推理小説風な作品もあるなど作品集としては統一感に欠けています。もっともPART1より多彩で楽しめたという読者もいるでしょう。この中では天城作品にしては珍しく犯人当て要素の強い「雪嵐/湖畔の宿」(2001年)が個人的には楽しめました。

No.1 6点 kanamori
(2010/05/28 18:58登録)
ミステリ傑作選集の第2巻。
作品集のタイトルからは著者のもう一人の探偵役である島崎警部もののアリバイ崩しが中心のように思えますが、不可能犯罪ものも多く収録されています。
第1巻と比べて読みやすい文体になっていますが、トリック的にはやや劣る内容だと思います。
なかでは、不可能トリックものの名作「朽木教授の幽霊」がダントツの私的ベスト作品。

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