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ミステリの祭典

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隠花の飾り

作家 松本清張
出版日1979年12月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 5点 まさむね
(2022/09/24 21:06登録)
 昭和53年から54年にかけて、小説新潮に連載された11作品を収録した短編集。晩年期の作品集ですね。
 テーマは女性と愛。私のセンスの問題もあろうかと思うのですが、平凡と評さざるを得ない短編も正直ありました。一方、いかにも清張といった短編もあって、そういう観点では読みごたえがあると言えるのかも。一定の齢を重ねて読むのがいいような気がしますね。

No.2 6点 斎藤警部
(2020/03/26 19:14登録)
足袋/愛犬/北の火箭/見送って/誤訳/百円硬貨/お手玉/記念に/箱根初詣で/再春/遺墨  (新潮文庫)

日陰に生きる女たちのショートストーリーズ。その割にちょっと薄味。読みやすい。軽くても印象の良い、人間関係ミステリ/サスペンス作品集。 しかしまあ、清張にしては畳み掛ける迫力に欠けるなあ、とは思う。 それはそれでいい。

中では異色かも知らん「見送って」の万感迫るブライトエンディング(... )は心に残ります。

No.1 4点 パメル
(2019/09/30 01:35登録)
11編からなる短編集。三十枚という制約の中で書いたそうで、ただ三十枚でも百枚にも当てはまる内容のものをと志して書いたという意欲作。無駄を極力削ぎ落とし、内容を濃密にしようという心意気は、素晴らしいと思う。
「百円硬貨」は、プロットが引き締まり、簡潔でクールな前半の叙述と臨場感たっぷりの終盤の緻密な叙述の対比が鮮やか。
ただ、いわゆる不倫ものが多いが、作者お得意のドロドロとした愛憎劇というのは、影を潜めどうもあっさりとしている。晩年に書かれたそうだが、年を取ってそのような感性も鈍ってしまったのかなと感じた。また、全体としてアイデアも切れ味も不足という感は否めない。ミステリとしては弱いので、変わった味わいの小説として読むのが良いのかも知れない。

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