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ミステリの祭典

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青春迷路殺人事件
旧制高校シリーズ 改題「我が青春に殺意あり」

作家 梶龍雄
出版日1985年09月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 6点 測量ボ-イ
(2019/08/03 17:48登録)
この作者をはじめて拝読。
本格色の強い作風と聞いていましたが、その点については
噂通りです。
この作品に関してはアリバイものだけに、犯人の意外性は
あまりないですが、完成度は高いと思います。
ただ文章のよみづらさがあったので、満足度はあっても
採点は辛め。

<余談>
内容もさることながら、当時の方たちの野球に対する熱さ
(一高VS三高)が面白かったです。
小生が子供のとき読んだあの湯川博士の伝記でも一高と三
高の野球が書かれ、氏の野球に対する熱さが伺えました。

No.2 5点 nukkam
(2018/02/02 22:53登録)
(ネタバレなしです) 1985年発表の旧制高校シリーズ第4作の本格派推理小説でシリーズ最終作となりました。過去のシリーズ舞台が三高、二高、四高と続き、満を持しての一高生の登場ですが三高生も一緒に活躍するのが本書の特徴です(但し学校の直接描写はほとんどありません)。本書の作中時代は1936年で、「リア王密室に死す」(1982年)(こちらの作中時代は1948年)に登場する三高生とは共通する人物はいません。両校のアマチュア探偵が謎解きに挑む2人探偵のスタイルで、競争を期待する周辺人物もいますが主人公2人はそういう意識は全くなく互いに情報を公開し協力しながら捜査します。三高の英彦がモダンな(モダーンとも表記)東京の文化風俗に気圧される描写が印象的です(京都の街灯はガス灯なのに東京(銀座)は電灯という説明があります)。細かいアリバイ調査の地味な展開ですがトリックにはかなり大胆なアイデアが採用されています。容疑者の描写があっさり気味なので動機に関する丁寧な説明が後付けに感じられてしまうのが惜しまれます。

No.1 5点 kanamori
(2010/08/11 18:34登録)
戦前の旧制高校シリーズの系統に入る作品で、旧題は「青春迷路殺人事件」。
前3作と比べると本格パズラー的な趣向は薄めで、当時の旧制高校生たちの青春群像を描くことに力点が置かれているように思います。アリバイトリックと意外な動機がミステリをしていて、一高生と三高生の二人の探偵役が別々に行動した結果、真相に至るというプロットがちょっとユニークでした。

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