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ミステリの祭典

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今昔百鬼拾遺 河童
百鬼夜行シリーズ

作家 京極夏彦
出版日2019年05月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 じきる
(2021/02/28 21:43登録)
これも主役不在かつミステリの核は小さいので、あくまでサイドストーリーとして楽しむお話か。

No.2 6点 人並由真
(2020/02/25 13:19登録)
(ネタバレなし)
 敦子&美由紀コンビを主役にした長編路線の二冊目。

 フーダニットの作品としてはゆるい作りだが、昭和の戦後期の世相を活かしたという意味では前作より面白かった。昭和30年代前半に書かれたこんな作風の、ミステリファン全般に忘れられたマイナーな長編探偵小説が発掘されたような気分すら覚える。
 個人的にはそれほど恣意的なユーモラスな感覚は覚えなかったのだが(京極堂の正編シリーズでも、似たような雰囲気に流れることはままあると思うし)、ラストはそれなりにいつものこの世界観らしいネタが出てきて楽しかった(軽くゾクゾクした)。
 キーパーソンとなる登場人物の何人かの思考の道筋はそれぞれ特殊で印象的だが、ショッキングさの域にはいかない。それでもある種の感慨を覚えたのだが、そういう点では成功であろう(少なくとも筆者にとっては)。

 前作『鬼』同様に、ぶっとびながら振り切った感覚は希薄だが、今回も悪くはない。いつか期待される正編が登場するまでの繋ぎ役としては、一定の成果をあげているのではないか。

No.1 5点 メルカトル
(2019/06/09 22:10登録)
昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。百鬼夜行シリーズ待望の長編!
『BOOK』データベースより。

本作を高く評価する人は筋金入りの京極ファンか、京極作品を一度も読んだことのない人だと思います。冒頭で女子高生四人がキャーキャー言いながら、河童談義をしているのは微笑ましいですが、基本的に百鬼夜行シリーズは悲劇でしょうから、それに反するユーモラスなこの作品はややずれているのではないかと思ってしまいます。確かに河童に関する薀蓄も語られますし、それらしい雰囲気の片鱗は見せていますが、『鬼』と比較してもトーンが明るすぎる気がします。
多々良勝五郎は別として、敦子、益田、呉美由紀らの脇役が何人集まっても主役にはなれません。つまり、主役不在の百鬼夜行シリーズ、又は脇役が主役になったシリーズでしょうか。やはり京極堂あっての百鬼夜行ですよね、これではダメだなあ。

事件は変節を経ますが構造は至って単純で、途中で大凡の真相は見えてきてしまいます。それでも結末はそれなりに読ませますが、意外性などはほとんどありませんね。そもそも誰が真犯人でなぜ全員水死体なのかといった次元の問題ではないですから。少なくともミステリファンの求めているような終息には至らないだろうと思いますよ。
余談ですが、表紙のモデルは三作とも人気の今田美桜ですが、いずれもお面を被っている為お顔は拝見できません。ただスタイルの良さは伺えます。

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