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ミステリの祭典

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傷物語
〈物語〉シリーズ

作家 西尾維新
出版日2008年05月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 8点 虫暮部
(2023/06/16 12:31登録)
 このシリーズは一作ごとにヒロインが増えるインフレのハーレムだけれど、実はストレートにえっちな場面はさほど多くない。しかし、その点で本作は、厳密な定義とカウントは難しいが少なくとも三箇所、中でも体育倉庫での行為は屈指の煽情力。いや別にだから高評価と言うわけではなく、バッドエンドに縺れ込む流れで爆発する気持のカタルシスに巻き込まれて死にかけたのだから私の涙腺は如何ともしがたい。
 改めて読むと阿良々木暦は切れ方が戯言遣いそっくり。

No.2 5点 ボナンザ
(2021/02/19 20:43登録)
最初の結末の提示は終わってみるとそれほど厳しくないわけだが、例のシーンなんかは初期西尾を思わせるインパクトがあったと思う。

No.1 6点 メルカトル
(2019/05/10 22:11登録)
全てはここから始まる!『化物語』前日譚! 全ての始まりは終業式の夜。阿良々木暦と、美しき吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハードアンダーブレードの出逢いから――。『化物語』前日譚!!

安定の面白さですね。安心して読めますが、どこか突出したところがあるかと言うとそうでもない。でも程々にスリリングで、萌え要素に関しては文句の付け様がありません。
これは阿良々木自身の物語であり、彼が人ならざる人間に変身してしまった原因を描いており、シリーズにとって欠かすことのできない作品でしょう。そして忍野との出会いも勿論明かされます。阿良々木暦の人間性にも迫りますが、前作でそれ程目立たなかった感のある委員長羽川翼の存在が、何より大きいのは誰もが認めるところではないかと思います。実際私の中では好感度急上昇です。それなのに、阿良々木が彼女の気持ちに気付いていないかのような振る舞い、或いは本当に気付いていないのか?判りませんが、ちょっと酷すぎるのではないかと。
あとがきにあるように、『化物語』よりも先にこちらを読んでも全然問題ないと思います。ただ、こんな事があったのに何故他の女子を?という疑問を抱かざるを得ないかもしれませんね。

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