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ミステリの祭典

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火曜新聞クラブ 泉杜毬見台の探偵

作家 階知彦
出版日2018年11月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 6点 よん
(2023/09/25 13:29登録)
高校一年生の植里礼菜と幡東美鳥は新聞クラブを立ち上げた。創刊一面トップの記事は、謎の人物の寄付金によって駐輪場が建設されるというものだったが、土壇場になって寄付はキャンセルされ、記事は差し替えを余儀なくされた。そして講師館の一室では殺人事件が起きる。
密室状態の現場、意味不明のダイイング・メッセージ。謎の満ちた事件の解明に乗り出すのは、御簾真冬という銀髪の不思議な少年。密室トリックなどは一見シンプルに感じるが、事件関係者たちの動きは思いのほか複雑。しかも読者の先入観を利用した最後のどんでん返しは想定外で驚かされた。

No.2 4点 虫暮部
(2021/07/13 12:36登録)
 キザハシではなくカイ・トモヒコ。そのまますぎて却って読めない作者名。

 アガサ・クリスティ関連の言葉がアレコレ盛り込まれており、未だ修行中の私には早過ぎたかもしれない。
 作り物めいた登場人物。解説する為に起きたかの如き事件の様相。色々と既視感があり今一つ。
 意地悪く言えば表紙イラストから逆算して書いたような雰囲気なのに、青春モノとしても妙に堅い。特に、主人公を変えた“過去の小さな事件”がつまらなかった点が残念。

 とか言って、実はクリスティマニアが読めばネタ満載で全然違った世界が見える作品だったらどーする?

No.1 6点 nukkam
(2018/11/22 21:26登録)
(ネタバレなしです) サブタイトルが「泉斗毬見台(せんとまりみだい)の探偵」と付けられていることからも予測しやすいでしょうが、セント・メアリイ・ミード村を舞台にしたアガサ・クリスティーの「火曜クラブ」(1932年)を意識して書かれた2018年発表の本格派推理小説です。但し「火曜クラブ」は短編集ですが本書は序章と終章の間に七章を挿んだ長編作品です。クリスティー作品は探偵役がミス・マープルという人生経験豊富な女性、一方本書の探偵役は御簾真冬(みすまふゆ)という男子高校生(外見は青い瞳に銀髪です)とまるで違うキャラクターですが推理を披露する時に自分が住んでいる毬見台団地の住人に起きた出来事を引き合いに出しているところはミス・マープル風ですね。人物描写は意外とあっさりで謎解き重視スタイルなのはシャーベット・ゲームシリーズに通じるところがあります。前半は高校の駐輪場建設工事中断の謎と殺人事件の謎の関係がもやもやしていますが、御簾が初登場する三章から謎解きプロットは引き締まります。ハヤカワ文庫版の登場人物リストがどうでもいい小学生は載っているくせに重要容疑者が何人も漏れているのが残念ですが、事件篇の五章まででかなりの謎を解いていながら解決篇の残りの章でさらに推理が推し進められる展開はなかなかよく出来ています。

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