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ミステリの祭典

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議会に死体
ハーバート・ロット警部

作家 ヘンリー・ウエイド
出版日2007年02月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 nukkam
(2016/07/31 01:09登録)
(ネタバレなしです) 1930年発表の長編第4作である本書はウェイド入門書としても適格な本格派推理小説で、3人の警察官を上手く描き分けて地道な捜査描写が一本調子にならぬよう工夫しています。現場見取り図、ダイイングメッセージ、アリバイ表などの推理ネタも充実しており(原書房版に登場人物リストがないのは残念ですが)、最後の一行まで謎解きを続けるなどまさしく本格派黄金時代の作品です。生真面目な文章ではありますが、長編第3作でプール警部シリーズ第1作の「ヨーク公階段の謎」(1929年)から語り口が進歩しているように思いました。

No.2 5点 kanamori
(2011/11/07 18:36登録)
地味だけど滋味な英国の古典ミステリ。
こんな内容。市政の不正疑惑を追及していた議員が議場で刺殺される。問題となるのは、犯行の機会とダイイング・メッセージで、地元の警視やロンドン警視庁のロット警部らの地道な捜査と推理合戦風のやりとりが繰り広げられ.....。

フーダニットとして作者のやりたかったことは分かるのだけど、直感的に犯人が分かってしまうというか、あまりインパクトは感じない。最後の一撃的に明かされるダイイング・メッセージの真相も、英語圏の読者にはわかりやすくても、大半の日本の読者にはピンとこないのでは?

No.1 6点 mini
(2009/03/15 09:49登録)
英国では巨匠なのに日本で人気が出るのが遅れた作家は数多いが、ウェイドなどはその最もたる存在だろう
早くから全く翻訳紹介がされなかったわけではないのだが、早くに紹介されたのが戦後の最晩年の作だけでは、まともな評価がされなかったのも仕方が無い
つまり戦前の最盛期の諸作が全く未紹介だったのである
ところが数年前に国書刊行会が作者の本領を発揮していた時期の作を刊行し始めてやっと真っ当な評価をされるようになった
「議会に死体」は原書房の刊行だが、ウェイドの代表作の一つと言ってもいい出来映えである
国書刊行会の「警察官よ汝を守れ」も作者を代表する作品だが、犯人の正体を見抜き易いという弱点があった
本格としては「議会に死体」の方が無難で一般受けしそうだ

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