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ミステリの祭典

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ドッペルゲンガーの銃

作家 倉知淳
出版日2018年09月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 4点 HORNET
(2018/12/30 22:56登録)
 各編のトリック自体はまぁ平均的でそこそこなのだが、何せ無駄に冗長。主人公の兄(警視庁捜査一課刑事)に先祖が憑依するという設定も、その前に主人公が的外れな推理をする件もすべて不要な脚色で、普通に描けばこんなページ数までいかない。
 それらが何かしらの伏線になっていたり、謎とは結び付かなくても何かしらを描いていたりするのであれば読んだ甲斐もあるのだが、基本的に真相までの間を持たせるような内容で、正直読むのが面倒だった。
 サクッと読めるモノだったらアリだったが、内容の割に文章の厚みが余分に思えてこの点数。

No.2 4点 虫暮部
(2018/12/17 10:54登録)
 猫丸先輩ものではほんわかとした雰囲気を醸し出す軽めの文体が、ここではあまり上手く機能していない。登場人物に深みが無いせいもあり、小説を読んだというより“説明を聞かされただけ”と言った読後感。トリックは悪くないので勿体無いが、ミステリとしての良し悪しだけでは評価しきれない気分である

No.1 6点 まさむね
(2018/12/14 22:31登録)
 女子高生ミステリ作家の妹とキャリア官僚(捜査一課在籍)の兄というコンビ、そして彼らのご先祖が…という設定については、個人的にはちょっとアレだったのだけれども、内容自体は本格度が高く、良質であると思います。
 第三話の「翼の生えた悪意」はストレートな密室モノで、途中で気付く方も多いような気がしますが、第一話の「文豪の蔵」は同じ密室モノながら捻りがあり、また、第二話(表題作)の謎も興味深かった。第二話までの評価であれば、7点を付けたかも。

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