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ミステリの祭典

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いま見てはいけない

作家 ダフネ・デュ・モーリア
出版日2014年11月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 蟷螂の斧
(2021/04/15 17:07登録)
①いま見てはいけない 8点 娘を失くしたばかりの夫婦の前に盲目の霊能者が現れ・・・じわっとくる恐ろしさ。伏線も見事。映画化「赤い影」されたのも頷ける
②真夜中になる前に 4点 クレタ島で災いをもたらすような夫婦に出会う。ギリシャ神話と絡めているが効果は?マーク
③ボーダーライン 7点 父が急死。娘は疎遠となっていた父の親友を訪ねるが・・・その親友とは?
④十字架の道 6点 エルサレムツアー一行の受難と復活?ませた9歳の子供の目線が楽しい
⑤第六の力 5点 内密な実験を行っている研究所へ出向を命じられたが・・・魂(エネルギー)は存在?

No.2 5点 ことは
(2020/04/06 00:00登録)
どの話も不穏な空気が流れているが、どうも焦点が定まらない感じがする。
「レベッカ」では、「レベッカの存在感」、「過去に何があったのかという謎」などが、物語を牽引していたのだなと、あらためて感じる。
比喩、暗喩、皮肉などいろいろ入っていそうで、それらを拾えているかとなると、全然だめだと思うが、好みにあわなかったということか。

No.1 7点 小原庄助
(2018/09/07 09:06登録)
「レベッカ」「鳥」などのサスペンス映画の原作でも有名な作者で本書は長めの短編集。
幼い娘を亡くした夫婦がベネチアで、霊感の強い女性とその双子の妹に出会い、奇妙な出来事に遭遇する「いま見てはいけない」。クレタ島の海辺に絵を描きにやってきた男が、2週間前に溺死した男をめぐる事故の真相を推理していく「真夜中になる前に」。どちらも不穏な雰囲気の中で、主人公が悪夢のような体験をし、じわじわと身にしみるような恐怖が特徴。恐れと驚きの色を浮かべ、娘を凝視して死んでいった父親のやり残したことを、やり遂げようとする娘の体験をつづった「ボーダーライン」。エルサレムを訪れた英国人観光客のドタバタを描いた「十字架の道」。これら2編は作者らしい皮肉とユーモアを交えた視点で描かれている。その他、1編。
映画とは違う、デュ・モーリアの魅力がたっぷり詰まっている。

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