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ミステリの祭典

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悪徳小説家

作家 ザーシャ・アランゴ
出版日2016年07月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 6点 YMY
(2024/05/27 22:19登録)
主人公をはじめ、主要登場人物の内面描写がすこぶる秀逸。誰も彼もが自己中心的であり、都合の悪いことからは目を逸らしたり逃げたりしつつ、うまく立ち回ろうとエゴを強く出す。だが、同時に情や矜持、そればかりか愛他精神や博愛精神すらしっかり持っていることもまた再三描写される。
本書に示されるのは、人間の愛すべき矛盾に他ならない。露悪的なだけの小説には描き得ない世界がここにはある。

No.2 5点 八二一
(2020/06/02 20:03登録)
完全な悪人ではなく、かと言って善人では全くない主人公が魅力的。徐々に追い詰められていく通常の倒叙とは異なり、結末はハードボイルドのよう。

No.1 5点 猫サーカス
(2018/06/01 20:07登録)
重大な秘密を妻と共有するベストセラー作家のヘンリー。ある日、愛人関係にあった編集者に妊娠を告げられ、自らの身を守るために悪に手を染める。だが、帰宅した彼を待っていたのは・・・。ヘンリーは保身のために嘘を組み立て、そこから真実が生まれる。真実と嘘が混じり合い、その境目が溶けあう。ヘンリーの体現する悪が、危険な輝きを見せる。不穏な魅力を備えた物語。

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