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ミステリの祭典

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見えない敵
フレンチシリーズ

作家 F・W・クロフツ
出版日1960年07月
平均点3.33点
書評数3人

No.3 2点 レッドキング
(2023/12/31 01:54登録)
クロフツ第二十九作。第二次世界大戦下、武器庫から盗まれた手榴弾による遠隔爆破殺人。動機とアリバイ時間表と手段と・・これはもう確実に、"晩(末)期クロフツ"と言うべきであろう・・

No.2 4点 nukkam
(2022/02/11 20:07登録)
(ネタバレなしです) 1945年発表のフレンチシリーズ第25作の本格派推理小説で、創元推理文庫版(1960年初版)では肩書が警視と表記されていますが空さんのご講評で指摘されている通り本書の時点ではまだ警視に昇進していないはずです。第二次世界大戦中の作品であることを強く感じさせるのが殺害方法で、何と爆殺です。ドイツ軍の機雷か演習用の機雷かはたまた盗まれた手榴弾か、どの凶器がどのように使われたのかを巡って推理が重ねられますがなかなか明らかにならない上に理系要素が強いので私には難解な作品です。動機と機会についても丹念に捜査されますがこちらも大苦戦で、容疑が濃くなるどころか誰もが犯人らしくなくなる非常にじりじりした展開です。細かく考え抜かれてはいますが、細か過ぎて爆殺以外がまるで記憶に残りません。現場見取り図も欲しかったです。

No.1 4点
(2019/08/07 23:41登録)
1945年に発表された、第二次大戦中の殺人事件を扱った作品です。軍の倉庫から盗まれた手榴弾で行われた爆殺ということで、時にはスリラーっぽい作品も書いているクロフツですし、スパイ小説をも思わせるタイトルでもありますが、純粋な謎解き捜査小説です。
地方で起こった事件にスコットランド・ヤードから応援に出張するのはご存知フレンチ警視-いや、これは井上勇氏の階級名称翻訳の問題で、まだ警部のはずでしょう。これもお馴染みカーター部長を連れていますが、この人ヴァン・ダイン(作中の)並みに影の薄いことがあります。
これも以前に盗まれていた電線を使っての遠隔殺人であることは、フレンチが捜査を始めた直後に明らかになるのですが犯人の特定はなかなかできません。トリックが解明されてみると、そんな複雑なことをしなくてもいい方法があったのではないかと思えてしまう点が不満でした。

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