home

ミステリの祭典

login
白髪鬼

作家 江戸川乱歩
出版日1972年01月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 蟷螂の斧
(2024/05/02 17:17登録)
英国作品「ヴェンデッタ(復讐)」を明治時代、黒岩涙香氏が翻案。昭和に入ってから、乱歩氏が舞台を日本に移し更に翻案。復讐がどのように行われたか?に的が絞られてしまったのが残念な点。復讐が成功するのか、失敗するのかという構成にした方がサスペンスフルになったと思います。

No.2 5点 ボナンザ
(2021/02/06 22:21登録)
皆大好き復讐物語。同情できる動機もあって乱歩の描いた犯人史上一番共感できる犯人だと思う。

No.1 6点 クリスティ再読
(2018/01/08 12:34登録)
コレリの「ヴェンデッタ」をやったからにはこれしないとね。「ヴェンデッタ」→涙香「白髪鬼」の流れの終点である乱歩のもの。
枠組みとして収監されて刑務所にいる主人公の回想の筆記のかたちをとる。なので乱歩お得意の一人称の語り口が楽しみどころ。乱歩の筆にかかると隠微なエロティシズムが満開で、そういう意味じゃ男性的で陽性なラテンノリの「ヴェンデッタ」とはまったく別物。筋立てはほとんど変えてないのだが、手触りは完全に乱歩オリジナル、という感じ。「ヴェンデッタ」では復讐を実行するために姦婦姦夫を「操る」リアリティを重視して、「心ならずも....」と計略を弄しているのに対して、乱歩はもっと幼児的な残虐さというのか、姦婦姦夫をさまざまな小道具でイジめるのがあたかもSMのよう。なのでそういうエロを楽しむのが本作の最大のポイント。乱歩ってね、「お話」の作家じゃなくて「語り口」の作家だというあたり、ミステリ系の批評だとどうも見過ごされがちなんだがなあ。

悪人どもは悪人なるがゆえに、ますます美しく、いよいよ幸福だ。わしは善人なるがゆえに、ますますみにくく、しかも不幸のどん底に突き落とされた。

この力学に働くリビドーこそが、乱歩版「悪徳の栄え」というべきか。

3レコード表示中です 書評