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ミステリの祭典

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探偵は女手ひとつ

作家 深町秋生
出版日2016年12月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 まさむね
(2017/08/14 11:34登録)
 娘と二人暮らしの元警官・椎名留美。山形市で探偵をしているが、依頼される仕事の多くは、農家の手伝い、パチンコ店での並び代行、雪かき等々で、半ば便利屋状態。そこに、元上司の警察署長から、さくらんぼ窃盗犯の特定に関する依頼が入って…という設定で、短編集がスタートします。
 正直、想像以上に楽しめました。短編集が進むにつれて依頼のハードさが増してくるのですが、周りを固める脇役陣が魅力的で、山形弁の醸し出す雰囲気に何かほっとさせられつつ、最終的にはスカッとできたのが何よりも良かったかな。ミステリ的な捻りも、敢えてこねくり回していない分、好感が持てましたね。

No.1 5点 猫サーカス
(2017/07/24 21:50登録)
六編からなる連作短編集。主人公であるシングルマザーの私立探偵、椎名留美をはじめ皆にズーズー弁使わせ、ほとんどユーモア小説のように見せつつも、皮肉と風刺を忘れず、人生の苦労をさらりと捉える。探偵と言っても実質的には便利屋で、山形ならではのさくらんぼ農家の手伝い、雪下ろし代行など意図的に地方色を選択しているものの、展開と真相にひとひねりあり読ませる。

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