探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵 椎名留美/改題『探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌』 |
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作家 | 深町秋生 |
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出版日 | 2016年12月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | たかだい | |
(2025/06/01 03:20登録) 山形県を舞台とし登場人物皆が山形弁で喋るまったりユーモアミステリー系かと思いきや、意外なほどハードボイルド系のストーリーで軽い衝撃を受けた作品 前述のような山形弁の会話や、元刑事の探偵(という名の実質、便利屋)を営むシングルマザーを主人公に据える等、一見した印象とは裏腹に各ストーリーに多かれ少なかれ暴力も付きまとう硬派な一面を覗かせるのが本作の魅力かと思った 話自体も、さくらんぼの盗難から始まり、死亡した万引き犯、拉致された売春婦、不審な訪問者等々、結構社会派というか現実味のあるガチめな事件が主体だった印象 仮にシリーズ物になったとして読み続ける魅力は若干弱いと感じたが、それでもこの1冊に関しては十分満足のいく出来だったと思います |
No.2 | 7点 | まさむね | |
(2017/08/14 11:34登録) 娘と二人暮らしの元警官・椎名留美。山形市で探偵をしているが、依頼される仕事の多くは、農家の手伝い、パチンコ店での並び代行、雪かき等々で、半ば便利屋状態。そこに、元上司の警察署長から、さくらんぼ窃盗犯の特定に関する依頼が入って…という設定で、短編集がスタートします。 正直、想像以上に楽しめました。短編集が進むにつれて依頼のハードさが増してくるのですが、周りを固める脇役陣が魅力的で、山形弁の醸し出す雰囲気に何かほっとさせられつつ、最終的にはスカッとできたのが何よりも良かったかな。ミステリ的な捻りも、敢えてこねくり回していない分、好感が持てましたね。 |
No.1 | 5点 | 猫サーカス | |
(2017/07/24 21:50登録) 六編からなる連作短編集。主人公であるシングルマザーの私立探偵、椎名留美をはじめ皆にズーズー弁使わせ、ほとんどユーモア小説のように見せつつも、皮肉と風刺を忘れず、人生の苦労をさらりと捉える。探偵と言っても実質的には便利屋で、山形ならではのさくらんぼ農家の手伝い、雪下ろし代行など意図的に地方色を選択しているものの、展開と真相にひとひねりあり読ませる。 |