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ミステリの祭典

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灰色の砦
建築探偵シリーズ

作家 篠田真由美
出版日1996年07月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 6点 nukkam
(2016/06/15 11:37登録)
(ネタバレなしです) 19歳の桜井京介と栗山深春が輝額荘という木造下宿で初めて出会い、そこで起こった謎の死亡事件に巻き込まれる1996年発表の桜井京介シリーズ第4作の本格派推理小説です。建築探偵ものとしていまひとつに感じられたのは、作中で紹介される著名な建築家フランク・ロイドにまつわるエピソードと輝額荘(ロイドが建築に関わったわけではない)との結びつきが弱く感じられたからです。とはいえそれがあまり問題に思えないのは人間ドラマとしての充実ぶりが際立っているからで、安直なハッピーエンドに収まらない真相は印象に残ります。

No.2 7点 Tetchy
(2011/02/08 21:50登録)
桜井京介と栗山深春邂逅の物語。彼らがまだ大学1年生で輝額荘という下宿屋に一緒に住んでいた頃の話だ。シリーズがある程度進むと、シリーズのゼロ巻目ともいうべき過去に遡った話が書かれるが、この作品もまさにそれ。しかし悔しいかな、こういう作品はなぜか面白い。

そして肝心の事件だが、今回は犯人は解ってしまった。作者の散りばめたヒントは実にあからさまとも云うべき親切なものであり、確かにこの作品は桜井が謎解きをする前に解る。逆にこれだけ解ると作者との推理ゲームに勝ったという愉悦があり、その分評価も甘くなってしまう。

とにかく本書はやっとこのシリーズの世界に浸れた作品である。桜井と栗山の最初の物語を知ることで以前にも増してこの後のシリーズを愉しめそうな気がする。あとは妙なBLテイストが無ければいいのだが。

No.1 7点 vivi
(2007/12/26 23:41登録)
建築探偵シリーズは、かなりキャラクター寄りの作品群ではありますが、
この作品は、密室やアリバイなど、細かな仕掛けがあり、
キャラ系が嫌いな人にも楽しめるのではないかと思います。

真相も、かなりの衝撃でした。
建築がらみの薀蓄も、面白かったです。

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